Steve JobsがMac World Expo 「やめたい」理由について
毎年1月に開催されるApple製品の一大イベント「MacWorldExpo SanFrancisco」。Apple本社のあるシリコンバレーにほど近い大会場ということから、毎年CEO Steve Jobsがキーノートスピーチに参加、会の目玉となっていた。
ところが、米Appleが「このイベントへの参加は来年が最後」と発表し、注目をあびている。
Apple has just issued a press release stating that this coming MacWorld in January will be its last, and Steve Jobs won't be on hand to say goodbye. Instead, Phil Schiller will be heading up the proceedings, thus marking a quiet end to a conference that' been the launching point of some of the most important pieces of consumer tech in recent memory
ちなみにかつて日本でもMacWorldExpoは開催されていたが(筆者も出展側で常連だった)、数年前に開催は中止されている。
これが会場のモスコーンセンター(サンフランシスコ)
MacWorldといえば、Appleの新製品発表の場であり、サードパーティの商談の場であった。しかし、PC&デジタルは十分に社会に浸透し、革新性が求められるわけではなくなったせいか、ニュースとなるのはJobsのキーノートくらいで、イベントの有効性がとわれていたのは確か。
この頃、ThinkDifferent運動が生まれ、ワールドワイドで多数の社員が抜け(日本は2フロアあったのが半分に)Appleはより消費者むけのマーケティングに力をいれるようになっていったのだ。
iPhoneはシェアこそないものの、デジタル音楽流通の仕組みを醸成しそれを組み合わせてマーケットを拓くなど、消費者モノの1stステージとしては大成功だったと考えられる。
過去のアップルは、PCマーケットでプロフェッショナル向けという戦略を取ってきたが、iPod,iPhoneのブランディングに成功し、Appleそのもののターゲットがここまで変化するとなると、もはや「マイノリティのためのカッティングエッジなプロダクトをつくる会社」ではなく、「消費者にとってカッコイイ製品を提供するブランド」という表現の方がフィットするようになる。微妙な違いだが、少なくとも後者にキーノートスピーチはいらない。
新しいAppleに乾杯すべきか?
ユーザー歴、R30の筆者はなぜかすなおによろこべない。
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