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マイクロソフト、Flash対抗「Silverlight」ってどうよ?

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知ってそうで知らないこのロゴマーク。そう、マイクロソフトがこの春リリースした、Flash対抗のテクノロジー。僕がもっとも注目しているフロントエンド技術なのだ。

何がすごいかというと、まず相当リッチであるということ。そして、既存技術、例えば、Java Script、XMLなどをベースにしているので、さまざまな資産やノウハウを取り込んで開発することができるということにある。しかも、Windowsだけじゃない、Mac OS Xも対象となっており、開発ツール、ランタイム共にFlash並に充実している。ブラウザは、Internet Explorer(IE)だけじゃない、Firefoxにも、そしてなんとSafariにも対応しているのだ。

さて、僕は、Flashとのつきあいはとても長い。Flashは1990年代前半「Future Splash」という会社が売り出していたアニメ制作ツールだった。サンフランシスコのMac Worldで始めて目にしたとき、これは当たると思い、すぐさま日本でのリセール契約を交渉しいよいよ副社長に会う、その2時間前、「マクロメディアが買収」したという、驚くべき歴史の一幕に出くわしている。

その後、おそらく日本人で初めて、Flash Generatorを使って、Oracle SQLと連動する完全Flashサイトを作った。1999年頃の話だ。サンフランシスコの本社に行き、また当時、日本のマクロメディアの社長さんには特別に作りかけの日本語マニュアルを提供してもらったりして大いに助かった。このサイトは、現在ダウジョーンズマーケットアトラスと名前が変わりFlashのかけらもないが、そもそもはFlashを使ったオブジェクト指向情報アプリケーションだった。デスクトップがあり、情報と情報が視覚的に連携するすごいサービスだった。

その後、Flashはそのサイトの轍を踏むかのようにアプリケーションプラットフォームとしての道を歩んでいった。僕の手がけた物が影響を与えたわけではないだろうが、当時のFLashはそういう素養を持ち備えていたといえるだろう。ただ、大きな問題点があった。開発効率が恐ろしく悪かったのである。

難点をあげたらきりがないが、Flashは、アニメーションプラットフォームとして一端の完成を来したと思う。システム開発環境としては、いろいろな矛盾があると感じている。

しかし、マイクロソフトの「Silverlight」は、Flashの対抗馬とされているものの、上記にあげた問題を明瞭にし、さらなる可能性を兼ね備えている。Flashがアニメツールから開発プラットフォームへと歩んだと表現するとしたら、Silverlightはリッチコンテンツ、ベクターグラフィック、開発プラットフォームそれぞれが「新しいウェブ」に結集しているようなイメージだ。

Silverlightは.NET Frameworkをベースにしており、.NETのサブセットをブラウザから使用することができるようになる。このmini-CLR(Common Langua Runtime)と呼ばれるランタイムは非常に軽く、Siliverlight自身が使用できるC#、Javascript(ECMA 3.0)、VB、Python、Rubyといった言語でコードを書くこともできる。

このCLRが恐ろしく軽くて早いのだ。
どんなものか見たことがない人は、是非、以下のサイトを見て欲しい。来週開発されるマイクロソフトのイベント「REMIX07」のサイトだが、全面的にSilverlightが使われている。こんなサイトみたことがない。

どうだろうか、僕はとてもわくわくする。

さて、開発については、デザイナーは「Microsoft Expression Studio」を、開発者は「Visual Studio」を使ってSilverlight向けのコンテンツやアプリケーションを作成できる。

今からでも遅くはない、新しいウェブの世界に手を染めてはどうだろう。


【関連URL】
Silverlight公式サイト
REMIX07(Silverlight)
TechCrunch Japanese『Silverlight:ウェブはさらにリッチになった』
CodeZine『最先端プラットフォーム「Silverlight」を使ってみよう』

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