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今泉さん提唱の『Twitterと組合わせた電子書籍による「個人出版」』は、マーケティング理論から考えると、コンテンツ次第でまったく新しいマーケテイングの世界が拓ける、という話

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今泉さんが電子書籍・Twitter・リアルイベントを組合わせた新しい「個人出版」の形を提案されています。(こちらこちらこちら)

これは、もの書きの視点から、市場(セグメント)として成立しうるのでしょうか? 考えてみました。

 

マーケティング理論によると、市場(=セグメント)を定義するためには、次の5つの条件を満たす必要があります。

■測定可能性:セグメントされた市場の規模と購買力が容易に測定できること

■利益確保可能性:得られたセグメントが十分な規模を持ち、十分な利益が挙げられること

■到達可能性:セグメントされた市場に到達でき、マーケティング活動が効果的に行えること

■差別化可能性:概念的に他と区別でき、異なるマーケティング・ミックスに異なる反応を示すこと

■実行可能性:得られたセグメントを引きつけられる効果的なプログラムが実行可能なこと


今泉さんが提唱されている「個人出版」に、上記理論を当てはめてみると、もの書きから見て、見事に市場(=セグメント)として成立していることが分ります。

■「測定可能性」/「利益確保可能性」/「到達可能性」について

今泉さんは、Twitterとリアルイベントを組合わせて、個人の著者が5000人程度の固定ファンを確保することを提唱されています。

これは、利益を保証できるレベル(=利益確保可能性)の具体的な市場規模を確保(=測定可能性)し、かつ一人一人が見えて個別にコンタクトできる(=到達可能性)ことを示しています。


考えてみれば、従来はこのようなメディアはなかった訳で、画期的ですね。

■「差別化可能性」について

ここが最も重要なポイントだと思います。

この人ならではのコンテンツを持っていることが大前提になります。できればオンリーワンが理想。

今泉さんは、よくライカ等の特定のクラシックカメラ専門家の例を挙げておられます。世の中の大多数はこのようなコンテンツにはまったく興味がありませんが、一部に熱狂的なファンがいます。かく言う私もそうでした。

言い換えれば、差別化できるコンテンツさえあれば、Twitterとリアルイベントを組合わせて、差別化をさらに大きく加速できるということです。


■「実行可能性」について

これは独自のコンテンツと組合わせて、いかに効果的なメッセージ性を出すかの勝負でしょう。


このように考えると、今泉さんが提唱されている「電子書籍+Twitter+リアルイベント」を組合わせた個人出版のスキームは、著者が持っているコンテンツ次第で、まったく新しいマーケティングの姿を開拓できる可能性が非常に高いと思います。

変更記録

2010/4/4 10:13 タイトルを修正しました

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