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事業アドバイザーとして活動する以前は、会社の経営者として様々な事業を立ち上げていました。その時代の失敗談、成功談から最近の事業アドバイス事例、改善事例など、事業繁栄のヒントになる実体験を書きます。

チャンピオン制が崩壊したその後

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当時のステンレスプール業界は、通称「チャンピオン制」と呼ばれていて、談合のようにメーカーが順番に受注する仕組みになっていました。

チャンピオンが手を挙げると、チャンピオンには立ち向かえないという暗黙のルールがあったのです。

今回は、私がステンレスプールメーカーとして名乗りを挙げて、チャンピオンが決まっていたにもかかわらず、安い金額で受注することに成功しました。

すでに決まっている話をひっくり返しましたので、ステンレスプール業界に激震が走りました。

当時はインターネットがありませんので、情報が入ってくるのが遅いこともあり、かなり後になってから業界の動きがわかってきました。

私の会社が受注する前のメーカーは、滋賀に本社がある上場企業でした。

今回の工事は滋賀県の小学校ですので、誰がどう見ても、そのメーカーがチャンピオンになるのは異論がありません。

でも、突然、滋賀からメーカーらしき会社が現れて、安い価格で取っていったのですから、噂はあっという間に業界を駆け巡ったということでした。

建設会社や設計事務所も対応に追われたかも知れませんが、そこは発注する側の強みでもありますので、そんなに問題はなかったようです。

そもそも、問題があれば今回の話は実行できませんので、メーカーの動きは想定内というところでしょう。

問題は、暗黙のルールがひっくり返されたステンレスプールメーカーです。

おそらく何十年もそうやって受注価格(プールの定価)を維持し続けていたのが、4割も安い金額で受注するメーカーが現れたのです。

そうなると、発注側からすると「その金額でできるなら、今までの金額は何だったんだ?同じように4割安い金額で製造できるのでは?」となります。

また、メーカー側としても、安い金額でチャンピオン制をひっくり返せるのですから、脅威でもあると同時にチャンスでもあります。

その結果、中堅のステンレスプールメーカーは従来よりも定価を下げて、受注拡大をするようになったということです。

正確な金額は聞いていませんが、一気に2割は下がったということでした。

それに対抗するために、大手のメーカーも値下げに応じて、業界全体の値下げ競争が始まったということでした。

こうなることを避けるために、チャンピオン制を取り入れていたわけですが、私の登場によって崩れ去ってしまったわけです。

ステンレスプール業界としては、とんでもない迷惑ですね。(笑)

でも、私としては何の影響もありませんでした。

今と違って情報が入りにくく広がりにくいこともあったかも知れませんが、噂や動きを聞けば情報は入ってくるものの、直接何かを言われるとか、そんなことは何もありませんでした。

メーカー側としては迷惑だったかも知れませんが、自分たちの利益を守るためのルールでしたので、そんなものに頼っていたことは間違いです。

うまく利益や利権を守ろうとするのではなく、「あなたのメーカーに発注したい」と言われる事業にしなければなりません。

ともかく、良からぬ暗黙のルールを打ち破ったことは、大きな意味があったと思います。

もちろん、私は自分の利益や事業拡大よりも、その暗黙のルールを打ち破るために、あえて自分の利益を削って業界の健全化に挑んだわけです!

ステンレスプール業界のための、先の先を見ての行動だったということですね。

と言いたいところですが、実際は目先も見えておらず、損得勘定も何もなく、事業拡大しか頭にありませんでした。(笑)

でも、これをきっかけに変なルールに風穴が空いたのですから、良しとしましょう!

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