プロジェクト、笑い、学び、心に響いた一言。 成長のキッカケ書き留めます。

ダメ会議を変える!会議の基本動作⑥ 「議論を可視化せよ」

»

会議の基礎について体系的に解説する、「会議の7つの基本動作」シリーズ

1回目は日本の会議がくそなわけ、7つの基本動作の全体像を解説し、以降、基本動作を1つずつ解説している。今回は「基本動作6」である。

  1. 決まったこと、やるべきことを確認する (済)
  2. 会議の終了条件を確認する (済)
  3. 時間配分を確認する(済)
  4. 主張を引き出す(済)
  5. 対話を促す(済)
  6. 議論を可視化する(いまここ)
  7. 4つのPを押さえて会議をシミュレーションする

基本動作⑥「議論を可視化する」

前回、前々回で、「引き出し」「対話を促進する」コツを解説した。
会議の最中にこれができるようになると、活発に意見が交換されるようになるだろう。ここまででも十分良い会議になるのだが、副作用もある。発言量が増えるがゆえに議論が混沌としてくるのである。これに対処するのが今回解説する基本動作⑥「議論を可視化する」である。


すべきことは、シンプルだ。書けばよい。

「書く?それだけ?」と思われるかもしれないが、書くということは極めて重要なのだ。

会議では人が発言する。あたりまえだが発言は目に見えない。だから、書かない会議では、誰が何を言ったか全部記憶しながら議論していることになる。

人間は一度に7つのキーワードしか覚えられないと言われているが、2時間の会議で上がるキーワードはとんでもない数になっているはずだ。すべてを記憶しながら議論するのは到底ムリだ。

例えるなら、「目隠し将棋」と同じ状態だ。

将棋.jpg

将棋盤を用意せずに「2四歩」「3五飛車成」と言葉だけで将棋をするのが目隠し将棋なのだが、プロの棋士がパフォーマンスでやってみせることがある。頭のなかに将棋盤を描き、自分の手駒がいくつあって、相手の手駒は何で・・・とすべて頭の中で処理して、次の一手を考えるわけだ。想像しただけでも凡人にはマネできない神業だとわかるだろう。

しかし、書かない会議ではこれと同じことが起こっている。

無意識のうちに脳のリソースの大半を記憶することに割いている。これを開放してくれるのが書くという行為だ。頭の中の将棋盤が、書くだけで目の前に現れる。



まずは「発言」をそのまま書く

ケンブリッジでは書く行為を、「書きなぐる」という意味を込めて「スクライブ」と呼んでいる。

スクライブするのは、ホワイトボードでもいいし、模造紙でもいい。と言ってもイメージが難しいと思うで、実際の会議を見てみよう。


ある会社では、コールセンターで働くオペレーターの離職率が高く、改善したいと思っていた。まずは何が原因なのか洗い出すことになり関係者で会議を行った。コールセンターの課長、現場でオペレーターを束ねる田内さん、システムに詳しい幸田さんの3人が自由に議論をしている。

課長「まず、離職の原因の洗い出しだな。仕事そのものがつまらないという話を聞くな」

田内「ええ、毎日お客さんのクレームを聞くわけですから、キツイと思います。実際オペレーターからも精神衛生上良くないという話も聞きますし......」

幸田「せやかてな、クレームを聞くのは他社も同じやろ?そもそもコールセンターなんてクレーム受けるのが仕事みたいなもんやろ?」

田内「いや、あの、他社と違うんだよ、例えば一般消費者向けのコールセンターなら個人相手だから、一つ一つのプレッシャーは小さいんだけど......。ウチみたいに企業相手のコールセンターだと1つの対応でミスがあると、会社間の問題に発展する可能性があるわけで......、対応に気を使うんだよね」

幸田「そんなん個人でも法人でも同じやろ?個人の方がややこしいお客さん多いで?」

課長「確かにその要素はあるな、ウチのコールセンターは少し特殊かもしれない」

幸田「いやいや、本質的には変わらんのと違います?」

課長「いや違いは沢山あるだろう?勤務時間も福利厚生も異なるし、大手コールセンターと比べると場所もアレだしな。そういえば場所の話は出てないのか?」

田内「確かに場所の問題はよく話題に出ますね。オペレーターさんはしょっちゅう文句言っています。駅からの距離がありすぎて雨の日なんかに大変だって......」

課長「そもそも、なぜ今の場所に拠点を移したんだ?」

・・・



何の変哲もない会議の風景だが、これをこんな風に書けばいい。

A.jpg

まず、『仕事がつまらない』という話題から入って、それを受けて『クレームがキツイ』と田内さんが言っている。

これをそのまま書く。次に、幸田さんが『キツさは他社と同じでは?』と聞いている。これは意見ではなく、質問である。新たな論点と言い換えてもいい。だから ◯問 と書いて、論点であることを示すといい。

こうした質問・論点が出ると、『離職原因を洗い出す』という話から『キツさが他社と同じかどうか』という話に移る。その証拠に続く意見は『対企業はプレッシャーが大』『そうかもしれない』『本質は同じでは?』という感じ。これは『キツさは他社と同じか?』という問いに対しての意見だ。だからこんな風に段落を分けて書いていくとスッキリする。

さらに、問に対する結論が出ていないことがわかるだろう。普通に議論していると分かりづらいのだが、書くと一発で分かる。

議論は、議論は問に対する答えの積み重ねで成り立っている。「何について議論しているのか」=「今、どの問に答えを出そうとしているのか?」をハッキリさせられれば、議論のかみ合わせは劇的に良くなるのだ。その為には書くことが極めて効果的。だから◯問と◯結は、意識して書いていくといいだろう。



たったこれだけで、複雑そうに見える議論もハッキリ見えるようになる。多少議論を聞き逃しても、内職していても、スクライブを見れば流れがわかるし、どの議論が中途半端になっているのかも見えるようになる。


通常、「ホワイトボードに書く」というと、メモを書き殴ったり、システムやネットワークの構成図を書いて示したりするケースが多いのだが、そんな必要はない。議事録のように書けばいい。だたし、全員が見えるように書くのがポイントだ。

言いっ放しで発言が空中に消えていくような感覚や、さっきの議論どうなったの?結論は?という感覚があるなら、書くことで劇的に改善できる。

リアルタイムで書いていくのはスピードも要求されるので難しいのだが、トライして欲しい。間違いなく効果がある。


このブログのもとになっている本です。興味があればこちらもお薦め。

世界で一番やさしい会議の教科書
榊巻 亮
日経BP社
売り上げランキング: 2,822

Comment(0)

コメント

コメントを投稿する