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ダメ会議を変える!会議の基本動作⑦ 「"4のP"で会議を準備せよ」

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会議の基礎について体系的に解説する、「会議の7つの基本動作」シリーズ

1回目は日本の会議がくそなわけ、7つの基本動作の全体像を解説し、以降、基本動作を1つずつ解説している。今回は最後の基本動作である。

  1. 決まったこと、やるべきことを確認する (済)
  2. 会議の終了条件を確認する (済)
  3. 時間配分を確認する(済)
  4. 主張を引き出す(済)
  5. 対話を促す(済)
  6. 議論を可視化する(済)
  7. 4つのPを押さえて会議をシミュレーションする (いまここ)

基本動作⑦「4つのPを押さえて会議をシミュレーションする」

これまで、6つの基本動作を解説してきた。「導入」で終了条件、時間配分を確認し、「進行」で議論を可視化し、意見を引き出し、対話を促した。「まとめ」で決まったこと、やるべきことを確認して、議論の結果を漏れなく確認すると共に、結論を参加者に染みこませる時間を取った。

この6つが押さえられれば会議は相当上手くいくのだが、一連の流れをスムーズに実施するためには準備が大切になる。ぶっつけ本番で出たとこ勝負ができるならいいが、それこそ達人でないと難しい。だから、最後の基本動作は「準備」だ。

準備の役割は、「導入」、「進行」、「まとめ」がスムーズに進められるように事前にシミュレーションして、必要な物を揃えておくこと。ケンブリッジでは、『会議は準備が8割』と昔から言われている。


しかし、必要なものって一体何を揃えれば良いのだろうか?

4つのPを揃えよ

あなたは会議の準備と言うと何を思い浮かべるだろうか?

・会議室を押さえる
・資料を作る
・資料を印刷する
・テレビ会議システムを用意する
・参加者に声を掛ける・・・

など色々思い浮かぶだろう。間違ってはいない・・・。だがこれらの要素は準備の極一部に過ぎない。


ここで少し考えてみたい。そもそも何が揃ったら準備完了といえるのだろうか?


冷静に考えると、どうしたら準備完了と言えるのかも分からず、まっとうな準備ができるわけがない・・・。準備の終了条件を知ることは重要なのである。私たちは『4つのPが揃ったら準備完了』であると考えている。

【準備に必要な4つのP】

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「4つのP」が全部揃って初めて準備完了!といえる。どれが欠けてもだめだ。

各要素の何に気を付ければ良いのか、落とし穴はどこにあるのかを解説しよう。


1つめのPはPurpose(目的)

会議で何を達成したいのか?つまり、終了条件を事前に考えておくこと。

基本動作②で解説したが「ゴールは状態で考えよ」という話である。何を達成したいのか、どんな状態を目指すのかが決まってないとどこにも辿りつけない。

終了条件はその場で考えても良いのだが、終了条件が変われば、必要な参加者も変わってしまうし、進め方も変えなくてはならなくなる。すべては「終了条件」しだいで変わってしまう。

だから予め終了条件を設定しておく方がよい。(詳しい設定の仕方は、会議の終了条件を確認する で解説したのでそちらを参照のこと)



2つめのPはPeople(参加者)

会議を開催する時には、当然誰を呼ぶのか考えるが、普段どんな観点で参加者を選定しているだろうか?


「あの人、念のため呼んでおいた方がいいな」 となってないだろうか?これでは参加者は増える一方だ。


参加者を3つの分類で考えてみよう。 A)いないと困る人、B)(どっちでもいいが)いた方が人、c) いない方がよい人。
普通は、通常の会議ではAとBを呼ぶケースが多いだろう。「あの話になるかもしれないし、念のためアイツも呼んでおくか・・・」というのはBのケースだ。

2.jpg

しかし、本質的に会議に必要なのはAだけのはずである。「Bがいても困らないから呼んでおけばいいじゃないか、と思うかもしれないがそれは違う。会議に関心が薄いBの人達は、発言せず、内職している確率が高くなる。そうなると会議にマイナスの影響が及ぶのだ。少人数で意見が活発に出る会議と、大人数で一部の人だけが発言している会議を考えたらわかるだろう。

また、Bの人達は会議に呼ばれてどう感じるだろうか?決して「楽しい有意義な時間だった」とは思わないだろう。念のため呼ばれて人たちからすると、クソほどつまらない会議に参加していると感じるだろう。だから極力Aの人達だけで会議をした方がいい。

参加者を選定する時のコツは「この人がいなかったら何が起こるだろうか?」と考えることだ。終了条件を達成する上で、マズイことが起こるならAの人、何も起こらなそうならBに属する人になる。すこし違う言い方をすると「終了条件にたどり着くために呼ばないと困る人だけを呼ぶ」事になる。これができるとグッと会議の人数が絞れ、かつ密度の濃い議論がしやすくなる。



3つのPはProcess(進め方)

「進め方って、議題(Agenda)でしょ?それなら考えているよ」という方もいるだろう。

素晴らしい。・・・だが浅い!

議題はあくまで「何を」議論するかである。もう一段階深く「どうやって」議論するかまで考えておかないとシミュレーションにはならない。

例えば、「想定課題を洗い出す」というAgendaひとつとっても、やり方はたくさんある。

  1. 会議主催者が考えている課題を叩き台として挙げておき、参加者全員でそれを見ながら過不足がないか議論する
  2. 思いついた課題をその場で発言してもらい、会議主催者がホワイトボードに書き留めていく
  3. 参加者に事前に課題を考えてメールしてもらう、会議当日は各自の意見を集計したものを用意し、それをみながら過不足を確認する。
  4. 付箋に書き出してもらい・・・

などたったこれだけのAgendaなのに、進め方は無数に出てくる。

これがシナリオと言っている部分だ。会議の終了条件にどんな風に辿り着くのか。どの順番で何を議論すればいいのか、どんな風に議論するのかを考えることになる。

例えば「紙の電子化施策に関するリスクが洗い出され、対策案が出た状態を作る」というゴールを受けて、Agendaとシナリオをブレイクダウンして考えていくことになる。

【Agendaとシナリオの関係】
3.jpg

ここまで想定して、ようやくProcessを考えたことになる。

世の会議でシナリオまで考えているケースはほとんどおめにかからない。念のために言っておくが、落とし所を決めて、予定調和な会議にしろと言っているわけではない。あくまで準備なので現場で進め方を変えることもある。でもそれでいい。準備がキッチリできていれば不測の事態にも対応しやすくなる。


4つめはProperty(装備)

最後はproperty、装備である。装備と言うと、通常はハード(会議室、資料)に注目しがちだ。

会議室を手配するのはそれはそれで大事だが、見過ごされがちなのはソフト(情報や人など)である。結論を出すために必要な情報が揃ってないのに議論を始めてしまいグズグズになってしまうことが多い。大事な装備として情報もしっかり準備しておきたい。

実は、シナリオまで想定できていると議論に必要なものは随分見えてくる。

例えば、課題を洗い出すのに現在の業務自体がわかってないとモメるだろうなぁ、事前に調べておこう!とか、意志決定のためには他社の状況がわかってないと辛いだろうな、事前にまとめておくか!など。シナリオを見ていると自然と必要なものがわかってくる。

そういう意味でも4つのPは、この順番でなければならない。目的(Purpose)が決まり、目的を達成するために必要な人(People)が決まり、その人達とゴールを達成するためのプロセス(Process)が決まる。プロセスが決まったら始めて必要な装備(property)が決まってくる。

いきなり装備を考えようとしても「会議室を取る」くらいしかできないのが分かるだろうか。全部繋がっていて、全部考えて準備したと言えるのだ。


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