プロジェクト、笑い、学び、心に響いた一言。 成長のキッカケ書き留めます。

なぜこれほど日本の会議はクソなのか? 会議を変える8つの基本動作

»

「世界で一番やさしい会議の教科書」を多くの人が読んでくださり、ありがたいことに沢山感想をいただくようになった。

「見た目によらず、めちゃめちゃわかりやすくて実践的」とか「表紙に騙されてはいけない!」とか(笑
騙しているつもりはないのだが、内容を評価してもらえるのは嬉しいものです。本書では文脈にこだわり、始め方にこだわり、ありがちなリアルなシーンでどう振る舞うかに重きを置いたため、物語調になっているのだが、このブログではもう少しアカデミックに解説をしたい。

IMG_1856.jpg

下手な研修や自己啓発の前に、目の前の会議を変えろ

1人のビジネスマンとして声を大にして言いたいことがある。
日々の業務にしても、変革プロジェクトにしても、事業創造プロジェクトにしてもビジネスの現場で絶対に避けて通れないのは「会議」であり「打ち合わせ」である。
組織が組織として機能するためには、他人と認識を合わせ、一つの成果に向かって役割分担をして行く必要がある。これは会議や打ち合わせを抜きにしては実現できない。会議での議論、意思決定の品質が高ければ企業活動の品質が上がる。会議のスピード感がそのままビジネスのスピードになる。もはや会議は企業活動にダイレクトに影響を与えていると言っても過言ではない。
にもかかわらず、会社は何も教えてくれない。ほとんどの人は見よう見まねで会議をやっているはずだ。企業が年中やっている研修は「管理職になる人のためのリーダーシップ研修」「部下の気持ちを汲み、やり気に火をつけるためのコーチングスキル」「成長を最大化するための目標設定方法」「経営層をうならせるプレゼンスキル」などである。これ自体を否定するつもりは全く無い。素晴らしい物も多い。

しかし、経営層にプレゼンする機会より、会議や打ち合わせをする機会の方がずーーーっと多いはずだ。
幾つもの打ち合わせが積み重なってプレゼンに至るのだから当然だ。海外の経営本やら、ビジネストレンドの本やらを読んでいる場合じゃない。自社のビジネスModelを変える機会よりも、会議で発言する機会の方がずっと多いのだから。時間の掛け方が間違っている。まず足元のスキル固めをしないでどうするのだ。


生涯会議時間は約30,000時間、8年分

約30,000時間・・・あなたが一生涯で会議に費やす時間だ。
この途方も無い時間、想像してみたことはあるだろうか?1日10時間活動できるとして、365日休みなく働いたら約8年分になる。大事なことなのでもう一度言う、"貴重な人生の時間を、8年分も会議に捧げる"ことになる。ここで少し考えてみよう。8年もの時間を、あなたはどう過ごすことになるのだろうか?よくある会議の風景を除いてみよう。

お昼休み開けの会議室――
小さな会議室にはテーブルを囲んで6人の男が座っている。ほとんどのメンバーが黙っている中、1人黙々としゃべっている男がいる。課長だ。書類に目を落として、まるで朗読だ。

(ああ、お昼後のこの時間には辛い・・・。眠い・・・)ふと横を見ると、3つ上の先輩はノートパソコンを睨んでいる。一見会議に集中しているように見えるが、全く別のことをやっている・・・。

(内職か・・・。おれもPC持ってくればよかった)と、ふと前をみると、別の先輩が課長に気づかれない角度で寝ている。

(う、うまい!あの技、俺も身につけたいなぁ・・・)と思ったその時、「じゃあ、今日はここまでだな」と課長の声が。どうやら終わったらしい・・・ 。やれやれ、やっと仕事に戻れる。――

こんな会議に覚えは無いだろうか?30,000時間、8年もの間、こんな会議を続けることになるわけだ。この絶望的な事実に、多くのビジネスマンは気付いていない。


きちんと基礎を学べばどうということはない

不思議な事に、会議のやり方は誰も教えてくれない。多くのビジネスマンは誰からもキチンと教わった記憶が無いと思う。摩訶不思議な現象なのだが、捉え方を変えれば「キチンと会議の仕方を学べば、劇的に改善する可能性がある」とも言える。
世にある会議の本は正しい事を書いてあるのだが、内容が高度すぎるのだ。「会議では図解をするんだ」とか書いてある。「図解」なんてプロでも難しい。スケートの初心者にいきなりトリプルアクセルを教えるようなものだ。当然、「正しい靴の履き方」が最初に教えることであるべきなのだ。では会議にとっての「正しい靴の履き方」は何なのか?

4つのフェーズと8つの基本動作を押さえる

会議は4つのフェーズに分けられる。「準備」「導入」「進行」「まとめ」だ。それぞれの役割は以下の通りだ。

4つのフェーズ.jpg

準備:文字通り、事前に会議の準備をするフェーズである。そういうと、会議室の手配や資料の準備、参加者への事前連絡などを思い浮かべるが、これらは準備のごく一部に過ぎない。事前準備の質が会議の質を決めるといっても過言ではないくらい、準備は大切だ。ところが会議の進め方を考えるような本質的な準備は、ほとんど実施されていないのが現状である。

導入:狙いは、参加者を議論のスタート地点に立たせること。いきなり議論に入る会議をよく見かけるが、導入がおろそかになると 、参加者がすぐに"迷子"になる。会議に出たはいいが、「何をすればいいのか分からない」という状態になった経験はないだろうか。これから何をするのか、何のために議論をするのか、どのくらい時間をかけるのかを最初に全員で共有する。

進行:こちらの狙いは議論をスムーズに進め、会議のゴールを達成することだ。参加者が好き勝手に発言していると、議論が混沌としてくる。こうなると、交通整理が必要だ。議論が全く盛り上がらないこともある。誰も発言しない、意見が出ない会議がその典型だろう。こうなると、意見を引き出す工夫が必要になる。

まとめ:ここでの狙いは、これまでの議論をムダにしないこと。最後に議論を振り返り、決まったこと、やるべきこと、次回に議論することを確認する。

会議はざっくりと上記の4フェーズで成り立っている。そもそも、会議が「4つの段階で成り立っている」なんて考えたこともなかったという声すらある。何となく時間になると集まって、何となく議論して、何となく解散する。それではダメだ。それぞれのフェーズには、基本としてやるべきことがある。それらは全部で「8つの動作」に分類できる。


8つの基本動作

会議の4フェーズ毎に、必要なファシリテーションの基本動作は異なる。8つの基本動作の全体像はこんな感じだ。本当はもっと無数のスキルを総動員しているのだが、基礎となるのはこの8つである。

  1. 決まったこと、やるべきことを確認する
  2. 会議の終了条件を確認する
  3. 時間配分を確認する
  4. 議論を可視化する
  5. 4つのPを押さえて会議を準備する
  6. 全員から主張を引き出す
  7. 対話を促し合意形成する
  8. 振り返りをする

(配布)会議ファシリテーション(8つの基本動作)_v8.jpg

番号の若い方が、難易度が低く、実施しやすいものだ。難しいことから始めずに、1から確実に実施することをお薦めする。

1から順にこのブログ上で解説していこうと思う。


このブログの元になっている書籍。お時間があればこちらも。

Comment(0)

コメント

コメントを投稿する