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ある時はコンピュータの製品企画担当者、またある時は?

Yuckな食べ物

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先日はアメリカの開発部門から人を呼んで、社内外向けにセミナーを開催した。来日は5度目らしいのだが、一人で放置するわけにも行かないので、一度夕食に誘うことにした。予め好みや嫌いな食べ物について聞いたところ、何でもOKとの回答だったが、これを真に受けてはいけない。寿司屋なんかに連れて行けば、よほどの魚好きでない限り、つらい思いをさせてしまうかもしれない。テーブルに「の」の字を書かれてもうっとうしいので、安全策を取ってしゃぶしゃぶ食べ放題にしておいた。これなら好きなだけ肉を食べさせて置けばよいので気を使うこともない。

聞いたところ日本を発ったら次にオーストラリアに初めて行くとの事だ。おおっ、そこなら僕は先日家族旅行で行ったばかりだ。一通り街の様子の話が済むと、大体次は食べ物の話だ。とは言ってもオーストラリアではアメリカのとあまり変わることはなく、肉やシーフードが主体だろう。いや他国ではまず目にしない独特のがあったではないか。

それは例えばカンガルーの肉だ。ちょっと前まで草原をピョンピョンしていたやつが皿の上に横たわっている図というのはどうも違和感がある。先日の旅行の際には、一口サイズに焼いたのに、たれをかけたやつを試してみた。どうもゲテモノ食いみたいだが、恐る恐る口にしてみると意外に悪くない。少々硬めの牛肉みたいだ。カンガルー牧場なんて聞いたことがないから、全部野生のだろう。豊富な運動量のおかげかどうか、肉がかなり引き締まっている。あとクロコダイルのも試してみた。こっちのは鶏のササミのように割と淡白だ。最後にレストランから出る時に、カンガルーとワニの肉を食べたという証明書なるものをくれた。現地でもゲテモノ扱いなので、よくやったというわけなのだろうか。試すにしても一口がいいところで、まずくはないがステーキにしたやつを食べてみようと言う気にはならない。

これを上回るもっとエグイのがあった。見た目は真っ黒なチョコレートペーストのVegemiteだ。旅行でのホテル宿泊中の毎朝食はビュッフェだったのだが、必ずこいつの小さなパックがテーブルの上に山済みになっていた。10年以上前に初めてオーストラリアに出張で行った時に、現地の人がこっちに来たら絶対に食べてゆけとばかりに、わざわざ会社に持ってきてくれたことがある。周囲の人が旨そうに食べるものだから、言われるままにパンにバターとVegemiteを塗ったやつを口に放り込んでみた。臭い塩辛を塗りたくったような感じだ。僕は塩辛いものは駄目なのだ。件のアメリカ人には、オーストラリアの「納豆」だから一度は試しておけと説明したら、顔をしかめていた。イメージは伝わったのだろう。

Vegemiteを見つけて懐かしさのあまり、ちょこっとパンに塗って口に運んでみたが、やっぱり臭くて塩辛くてまずいやつは健在だった。もう2度と口に入れるものか。そういえばかつてもそう心に誓っていたことを、すっかり忘れていたのだった。

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