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ある時はコンピュータの製品企画担当者、またある時は?

プレゼンで心がけていること

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先日のセミナー講演でついに今年は100回を超えた。僕にとっては新記録である。あちこちで話をする機会が多くなると、必然的に使用する資料も過去に使ったものの再利用や微調整で済ませることになる。とは言っても、持ち時間や話す相手のプロフィールや関心事の全てが同一条件、ということはまずあり得ないので、資料一式が同じということもない。過去の資料から適宜抜粋し、ページの順序を並べ替え、言葉遣いを微調整し、全体として時間内に話がスムーズに流れるようになれば出来上がりである。

そうなるとただ単に使用済み資料を保存しておくだけでなく、いつどこでどのような話をしたのか、そして新たに追加・調整した情報は何なのかという記録も、再利用のためには必要となってくる。そこで僕は、セミナーにおける講演だけでなく、特定のお客様対象の説明会や、大学での講義資料までをExcelを使って一元管理している。必然的に過去の実績が一目瞭然になるので、今年のをカウントしたら100になった、という具合だ。Excelは僕の作り置き資料のちょっとしたインデックスなのだ。

出席者は技術的なことは理解できないですから、などとセミナー主催者から予め知らされたりすると実は結構プレッシャーを感じたりする。そもそも僕が話をするのはPower Systemsというコンピュータの特徴だったり、最新情報だったりするので、技術的要素を完璧に排除して話を組み立てるのは非常に困難である、いや無理じゃないかなと思う。とは言え要望は理解できるので、先日のセミナーにおいては技術的なややこしい話は目一杯砕いてゆっくりと話したつもりだったのだが、それでもまだ難しいという評価をいただいた。素人にもわかる話をするのは並大抵なことではないようだ。いつか妻でも相手に説明してみて、感想を聞いてみるようにしよう。家庭の主婦がわかるようになれば完璧に違いない。

僕は講演をする場合に自分なりの評価尺度を持っている。どれだけ内容に満足してもらえるかが一番重要ではあるが、こればかりは相手に聞いてみないとわからないし、事後にコメントをもらえないこともある。そこで、時間に正確であること、つっかえないで話せること、やたらに長い文章をしゃべらないこと、を心がけるようにしている。これならば自己評価が可能である。特に話す文章の長さを短く抑えることは、話をわかりやすくするためには最も重要かもしれない。長い文章を話していると、そのうちに主語が何だったか忘れてしまい、話の着地点を求めて果てしなく漂ってしまうことになる。聞いている方も、どこまでを意味のある内容として一区切りをつけて受け止めたらよいのかわからなくなるし、そうなると話し手について行くのに疲れてしまう。そして、話しながら聞き手の表情をうかがって、話のスピードや内容を調整できれば、スピーチとしてはOkだろう。

あとは素人でもわかる感動的なコンピュータの話、なんてのができれば完璧だろうけど、残念ながらそんなネタを仕込む目処はとても立ちそうにない。

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