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ある時はコンピュータの製品企画担当者、またある時は?

少し早目の夏休み

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毎週欠かさずブログを書くことを自分に課してきたつもりだし、おそらくそれを達成できていたと思うのだが、先週ばかりは一休みさせていただくことにした。一週間の夏休みを取って、家族でオーストラリアに旅行していたのである。休暇なのでPCも持たず、インターネットにもアクセスもせずに、ただひたすらに自然と戯れる日々を過ごしたのである。かつてアメリカ旅行をした際に、レンタカーのトランクからスーツケースごとPCを盗まれた経験があり、ここでまたもう一度やらかすのはまずいので、PCは持って歩かなかった。僕が使っているノートPCは会社の資産だから仕方ない。宿泊するホテルでは無料でインターネットにアクセスできることは知っていたので、緊急のメールくらいはチェックしたかったというのが本音のところなのだが。

何でオーストラリアというと話が長くなるのだが、僕にとっての最大の動機となったのは、エアーズロックに登りたいという一点に尽きていた。麓からの標高差は350メートルそこそこではあるが、砂漠の真ん中に切り立ったあの岩の塊に登るというのは、ミーハーな山登りが好きな僕にとっては象徴的なイベントなのだ。350メートルということは、ざっと一時間も登ればおわりだろう。調べたらエアーズロック登山も、ツアーのオプションとして選択できるようになっているではないか。幸いにも家族はオーストラリアがいいと言っているので、これを条件にすんなりと旅行のプランが固まった。

実際に出かけてゆくまで知らなかったのだが、実はエアーズロックは原住民のアボリジニの人達にとっては聖地であって、なるべく足を踏み入れて欲しくないと思っているのだそうだ。そしていつでも登山ができるわけではなくて、強風や降雨など天候が危ぶまれる時や伝統的行事の行なわれる時などには登山口が閉鎖されてしまう。実際には登山が許可されない日のほうが多く、登山可能日はざっと3~4割程度に留まるのだそうだ。そしてガイドによると、日本人ツアー客のうち登りたがるのは9割近くいるのに対して、ヨーロッパのツアー客では1割に過ぎないとのことだ。日本人は山を見たら登りたがる、「山国根性」を持ち合わせているのだろう。

結局僕が密かに今回の旅行で最大のイベントと目論んでいた登山は中止されてしまった。快晴ではあったが、強風のためというのがその理由だ。麓付近をうろうろする分には風を感じない位だったのだが、独立峰なので風当たりが強いのだろう。個人的には体調万全、やる気満々だったのに、国立公園のレンジャーがそう決めたのだから仕方がない。日本からはるばるこのためだけに(と言うほど大げさではないが)やって来たのにな。登山口から見上げると、踏み跡が一直線に青い空に向かって伸びている。標高の低さとは裏腹に、結構手ごわそうな感じである。これまでに何人もの人が滑落しているというのもうなずける。ここは命拾いをしたとして、天候に感謝するべきなのだとのガイドのコメントに、渋々ながらも頷いた次第である。

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