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ある時はコンピュータの製品企画担当者、またある時は?

夏が来た

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まだやっと桜が咲きかけた頃に過ぎないが、アメリカでは既に2週間前には夏がやって来たことになっている。例年だと4月初めであるが、今年は3月11日がその開始日になる。いわゆる夏時間というやつだ。ジョージ・ガーシュウィン作曲のサマータイムが有名なので、アメリカではそう表現するのかと昔は思い込んでいたが、実はそうではない。通常はDaylight Saving Timeと言うらしい。さしずめ「日中の太陽光をたくさん浴びるための時間」といったところか。

会社の中で製品企画という商売をやっていると実はこれがまたやっかいな代物で、コンピュータなどおおよそ内部に時計とかカレンダーを内蔵している機器類にあまねく影響がある。幸いなことに日本にとっては対岸の火事のように感じられるが、それでもアメリカに支社や出張所を持つ会社にとっては大きな関心事である。機器類内蔵のカレンダー機能が持つ従来の夏時間調整機能を修正しなければならないので、パッチを適用しなければならない。どのマシン、どのOS、どのソフトウェアにはどういったパッチを適用しましょう、というガイドがあちこちから出されることになる。僕は担当製品についてこういった情報を発信する立場にあるので、せっせと情報収集しなければならないわけだ。

今年は制度が変わったばかりだから世間が皆騒いだし、お陰で「対岸」にいるはずの僕らのところにもニュースは聞こえてきた。だけど僕が初めてアメリカに滞在した頃は、制度として定着していたために大したニュースにもならなかった。いや仮にどこかで喧伝していたとしても、現地に引っ越して数週間の英語のヒアリング力では、そんな内容を認識することはとうてい不可能であった。だからある春先の月曜日に出社した際には、明らかに世間の雰囲気が違っていた。何故かいつもより皆の出足が早い。要するにそうと認識しないで一時間遅刻していたのである。夏時間なんて制度が存在しない、辺境の地からはるばるやってきた無知な人間から、こんな大きなニュースを隠し通すだなんて、誰も事前に教えてくれなかったじゃないか。

今年は陽気の方も暖かくなるのが早いらしい。かつて僕が滞在していたミネソタ州ロチェスターは、気候的に北海道旭川と同じくらいの感覚なのであるが、たまたま現地滞在の人間と話したら今日の最高気温は75度、摂氏では約24度だと言っていた。思わず、そりゃああったか過ぎると答えたのであるが、これも地球温暖化の影響かしらん。

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