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決して最先端ではない、けれど日常生活で人びとの役に立っているIT技術を探していきます。

中東の衛星テレビ局、アルジャジーラ。彼らが積極的にネットやソーシャルメディアを活用していることについては先日の記事でもまとめましたが、その取り組みはどの程度の効果を発揮したのでしょうか。一端を垣間見れるデータがTwitter社から公開されています:

I Want My AJZ (Twitter Media)

First: it’s important to understand that Al Jazeera’s English-language channel is only carried in three cities in the U.S. So put yourself in Al Jazeera English’s shoes: you’re covering the biggest story in your history, and you’ve got the goods—live video from downtown Cairo, from Tehrir Square itself. How do you get this coverage in front on the right audience at the right time?

You use Twitter.

まず始めに、アルジャジーラの英語放送は米国内でたった3都市でしか見ることができないという点を理解しておくことが重要だ。アルジャジーラの立場になって考えてみよう。これまでで最も大きな事件を報道していて、カイロの中心街やタハリール広場から素晴らしいライブ映像を配信している。この報道を、最適なタイミングで、最適な観客の前にもたらすにはどうしたら良いだろうか?

ツイッターを使うのだ。

という、Twitter社の自信が窺えるような文章が冒頭部分に載せられているこの記事。アルジャジーラが出稿したプロモツイート(広告主の宣伝ツイートを、指定したキーワードの検索結果ページ最上部に表示できる機能。現時点でもEgyptMubarakElBaradei#Jan25などのキーワードに対して設定されているようです)およびプロモトレンド(同じく指定したキーワードを「流行のトピック」に表示させる機能)について、その効果が検証されています。

Al Jazeera is using Promoted Tweets to a) report the news; b) position itself as the authority on this story; and c) drive viewers to its live stream. The result? Twitter is one of the top referrers to a site that’s seen a 2,500% jump in traffic since January 25.

アルジャジーラは次の3つの目的のためにプロモツイートを活用した。a) ニュースを報道する、b) 自社をこの件に関する権威として位置づける、c) 自社のライブ映像へと視聴者を呼び込む、の3つである。結果はどうだったか?ツイッターからのアクセスは、同社に対するアクセスの中で最大のものの1つとなり、1月25日以降トラフィックは2500パーセント増加した。

とのこと。ただし当然ながら漫然と広告ツイートを出していたわけではなく、例えばムバラク大統領が新たな声明を発表するようだという情報(つまり人々から大きな注目を集めることが確実なテーマ)をつかむと、対応チームが関連ツイートを投稿してプロモツイートに設定。しばらくして「ムバラク」というキーワードが「流行のトピック」に登場、人々がクリックして内容を確認しようとすると、そこに先ほどのプロモツイートが表示されている……というような流れをつくり出していたそうです。

こうした用意周到な「広告出稿」をTwitter上で行った結果、先ほどのようなトラフィック増加がもたらされたわけですが、具体的なツイート数がグラフで示されています:

AlJazeera_Twitter_Promotion

青線がアルジャジーラについて語っているツイートの数で、黄線が"@AJEnglish"(アルジャジーラ英語放送の公式アカウント)をメンションしているツイートの数。特にアルジャジーラについて語っているツイートが、1月28日頃に爆発的に上昇しています。また同アカウントのフォロワー数も1月28日を境に急増、1月27日に67,776人だったものが、1週間後の2月3日には157,974人と倍以上になっています(ちなみに現時点で18万人超)。

もちろんこうしたアクセス上昇のすべてが、プロモツイートやプロモトレンドを活用した結果というわけではないでしょう。今回の事件に関連してアルジャジーラが提供している、優れた報道コンテンツこそが、全てのトラフィックの源となっているはずです。しかし冒頭でTwitter社自ら語っていたように、そのコンテンツの存在をどうやって人々に気付いてもらうか。アルジャジーラの取り組みは、格好の参考事例になるかもしれません。

しかし一連のアルジャジーラの取り組みや、以前ご紹介したNPRの事例などは、ジャーナリズムが決して従来型のマスメディア(新聞やテレビ、ラジオなど)だけと結びつく存在ではないことをはっきりと示しているのではないでしょうか。人々の目がウェブに向かう時代に、報道機関はどのような行動を取るべきなのか。少しずつ具体的な姿が見え始めているようです。

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小林 啓倫

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小林啓倫

株式会社日立コンサルティングの経営コンサルタント。WEBサービスの企画・運営、新規事業の立案などに携わる。個人でPOLAR BEAR BLOGも執筆中。

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