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ユナイテッド航空がギターを壊したので歌にしたら、Twitter でコメントがあったござるの巻

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今月初めにニュースになっていたのでご存じの方も多いかもしれませんが。この時代ならでは、といった感じの事件について。まずはデーブ・キャロル(DaveCarroll)という方が作成した、こちらの YouTube 動画をどうぞ:

"United Breaks Guiters"(ユナイテッド航空がギターを壊した)というタイトルの曲。このタイトルと、ビデオの画像を見ているだけで大体何が起きたのかは理解できるでしょう。そう、ユナイテッド航空に乗って移動したら、空港の手荷物係に自分のギターを壊されたという話ですね。詳しくはこちらの記事をどうぞ:

空港でギター壊され「恨み節」の歌、ユーチューブで大ヒット (AFPBB News)

楽器の修理代約28万円の支払いを、ユナイテッド航空に断られてしまったデーブさん。そこでこの「恨み」を曲にして YouTube にアップしたところ、現在までで再生回数400万回を超すほどの大ヒットになっています。いや、まさしくソーシャルメディアの時代といった出来事でしょう。

しかしこの話、これで終わりではありません。続きはこちらでどうぞ:

Airlines Follow Passengers Onto Social Media Sites (New York Times)

Since it first appeared July 6, “United Breaks Guitars” has been viewed more than 4.4 million times. United has scrambled to respond, also in nontraditional ways. Its first comments came not in a press release, but via Twitter.

7月6日に登場して以来、"United Breaks Guiters"は440万回以上も再生されている。ユナイテッド航空は慌てて対応に動き出したが、こちらも以前のような手法ではなかった。最初のコメントはプレスリリースではなく、Twitter 経由で行われたのである。

New York Times が報じている通り、ユナイテッド航空は Twitter 上において、他のユーザー達とこの件で「会話」を繰り広げています。例えば J.R. Garcia というユーザーが投稿したこんなメッセージに対して:

JRGarcia

ユナイテッド航空の公式アカウントが返した返事がこちら:

UnitedAirlines

「このビデオ面白いよ、チェックしてみなよ!」という揶揄に対して、「素晴らしいビデオだと思います。なのでトレーニングに活用し、サービスを向上させることに努めたいと思います」と回答しています。米国の航空会社の Twitter 活用という点については、以前このブログでも取り上げたことがありますが、ユナイテッド航空は少なくともデルタ航空より Twitter を「会話」に使おうという姿勢があるようです。

ただし。ユナイテッド航空が開設している YouTube 公式チャンネル上では言及が無く、コメント欄が炎上状態になっているとのこと。プレスリリースで謝罪して終わりではなく、Twitter というより消費者に近いチャネルで反応したのは評価できますが、もともとデーブさんが抗議活動を行ったのは YouTube 上ででした。であれば、ユナイテッド航空も YouTube 上で回答するというのが欠かせない対応でしょう。Twitter 上では反応できたのですから、ソーシャルメディア対応を同じ担当者に任せていれば難しい話ではなかったはずです。

この件について、米フォレスターリサーチの関係者がこんな発言をしています:

“United’s experience is the latest and best example of how social computing is affecting the business reputations of travel companies,” said Mr. Harteveldt of Forrester. “Every mistake as well as every success is going to be Facebooked and Twittered.”

フォレスターリサーチの Harteveldt 氏は次のように述べている。「ユナイテッド航空のケースは、ソーシャルコンピューティングがいかに旅行関連会社の評判に影響を及し得るかについての、最新にして最良の事例だ。あらゆる失敗とあらゆる成功が、Facebook と Twitter 上で暴露されるのである。」

間違いなくこの流れは、航空会社に限った話ではなくなっていくことでしょう。ブログやSNSはもとより、YouTube や Twitter といった最新のソーシャルメディアにどう対応していくかは、今後ますます企業にとって重要なテーマになっていくと思います。

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