夏休みの宿題:ブログ毎日更新
先日、娘を連れて書店に出かけた時のこと。児童書コーナーに平積みになっていた本を見て、思わず我が目を疑いました(以下の本はあくまでもイメージで、こんな風な本があったんだな、とお考え下さい):
6~7種類の類似本が並んでいたのですが、ご覧の通り、「読書感想文の参考書」です。いや、参考書と呼ぶのは語弊があるでしょう。なにしろ「穴埋めするだけで読書感想文が書ける」「例文を見ながら読書感想文が書ける」という本なのですから。
いちおう彼らの名誉のために言っておくと、穴埋めや例文だけが載っているというわけではありません。読書感想文の意義や書き方のコツなど、参考書的なコンテンツが掲載されている本もあります。しかし読書感想文が大キライな子供たち、夏休み残り一週間で「ヤバイ!感想文すっかり忘れてた!」という子供たちがこれらの本に期待するのは……やはり穴埋めや例文でしょう。穿った見方をすれば、「読書鑑賞文の意義」的なパートは後ろめたさを軽減するためのもの、と考えられるかもしれません。
僕も読書感想文が大キライだった子供の一人ですから、こうした本を買いたくなってしまう気分は分かります。小学生の頃にコレを見つけていたら、お小遣いをはたいて即購入していたでしょう。しかし読書感想文が宿題として出される理由は、穴埋めやコピペをして欲しいからではないはず。形だけつくろって提出するぐらいなら、短くてもいいから自分の言葉で文章を書くべきだと思います(長く書くことに意味があるのだ、という方は、とりあえず Twitter を始めてみることをオススメします)。その意味で「原稿用紙○枚以上は書くこと!」といった出題をする学校にも責任があると思いますが、とにかく「パーツを組み合わせて長い文章が書ければいいや」的な思考を助長してしまうツールは使って欲しくないなぁ、と感じた次第。
考えてみれば、課題となる本が決まっていて、それに対する感想を~文字以上つづれというのも変な話ですよね。採点する先生にしてみれば効率化のためやむを得ないのかもしれませんが、人によって得意な文章スタイルは異なるはず。であれば、夏休みの宿題は「ブログを毎日更新!」にしてしまった方が学習効果があるし、先生・生徒間だけでなく生徒・生徒間、生徒・世界中の人々間といったインタラクションも発生して面白いと思うのですが……そうなると今度は『小学校1・2年生のブログ――実用テンプレートがいっぱい!(DVD-ROM付き)』なんて本が登場してくるのかなぁ。