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若者を海外旅行に向かわせる、たった1つの簡単な方法

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最近よく言われる「若者の海外旅行離れ」を報じる記事を読んで。

若者の海外旅行離れ加速 カネなし、好奇心も薄れた?(asahi.com)

いまだに「ネットに海外情報があふれて現地へ出向く意欲が薄れているとの見方もある」のが驚きですが(これについての反論はこちらで書いています)、原因はさておき、若者を海外旅行に向かわせる簡単な方法があります。それは、「海外旅行に行ったことのある中高年が活躍すること」。

最近は心理学の側面から、「消費行動はこんなに不条理なものだよ」と唱えるのが流行りになっていますが、普通に考えれば「コスト<メリット」の場合にお金を払って何かしたくなるものでしょう。海外旅行に行くコストが劇的に下がることは期待できない(もしくは若者の所得を劇的に上げることは難しい)のであれば、メリットの方を高めるしかありません。

例えば、海外旅行に行ったことのある人が活躍して、会社の海外事業を成功させる。それがどっかの新聞やビジネス誌で取り上げられ、インタビュー記事で「いやぁ、僕/私が成功できたのは、若い頃に海外旅行で異文化に触れたからですよ!」という発言が紹介される。その姿を見れば、「そうか、僕/私もいまのうちに海外旅行しとこう」「海外旅行しないと就職に不利だ!」と考える学生が増えて、苦しくてもバイト代を貯めて海外に向かうはずです(それが将来の給与を左右するのですから)。

旅行業界関係者は「日本の将来を考えれば絶対に好ましくない」と口をそろえる。

それなら、「なぜ若者が海外に行かないと日本の将来が危ういのか」や、「昔の若者が海外に行ったおかげで日本にこんなプラスがあった」ということを論じないと(個人的には、なぜ海外旅行経験がある人々が「ガラパゴス化」などと呼ばれる現象を防げなかったかのかという理由も説明して欲しいですが)。また企業に対しては、海外旅行経験のある若者を積極的に採用し、彼らの経験を活かす努力をするように呼びかけないと。でないと、若者が海外に向かう時代が奇跡的に再来したとしても、「日本の若者は海外にまで行って遊びほうけている」と非難されてしまうと思いますよ。

そういえば最近、こんなニュースもありましたね:

ハートマークに相合い傘  落書きだらけの伊大聖堂 (47NEWS)

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