今日の日経MJに、ちょっと面白い特集が。薬事法により広告上で効果・効能を訴えることのできない食品メーカーが、消費者に訴求するためにどのような工夫をしているかを解説した記事です:
■ 食品広告、効能表示に薬事法の壁 -- 「キメぜりふ」効き目あり (日経流通新聞 2006年12月13日 第3面)
どんな例が紹介されているかというと:
- 味の素の新商品「かつおの力」。かつお節には疲労やストレスを和らげるとされるアミノ酸やペプチドが豊富に含まれている、という実験結果を基に製品化。医薬品ではなく効能を訴えることができないため、「なかなか休めない毎日に」というキャッチフレーズを付けている。
- 同じく味の素のサプリメント「グリナ」。深い眠りを促す働きがあるとされるアミノ酸「グリシン」が配合されている。これまで最も消費者の反応が良かった広告表現は「気がつけば、もう朝。なんて、久しぶり」。
- 日本コカ・コーラの飲料「からだ巡茶」。当初、広告で使用されていたキャッチコピーは「広末涼子、浄化計画。はじまる。」だったが、「浄化」が「老廃物除去という医薬品の効能のように受け取られる」と東京都が表現の変更を求めたため、「広末涼子、気分浄々。」というコピーに修正した。
- グリコのチョコレート「GABA」。精神安定作用などの効能があるとされるガンマ-アミノ酸(通称GABA)から命名された。「ストレスに効果がある」といった表現では薬事法に抵触するため、キャッチコピーは「ストレス社会で闘うあなたに。」
など、各社の苦労がうかがえます。またいったんOKが出たのに後からNGになったり、地方自治体によって許容範囲にバラつきがあるなど、一筋縄ではいかない世界なのだとのこと。そこで必要になるのが、直接的な表現を使わずに消費者に効能を感じてもらう「キメぜりふ」というわけです。
実際に現場で苦労されている方には怒られてしまうかもしれませんが、僕はむしろ薬事法というハードルがあることで、「キメぜりふ」を生み出す力が磨かれている面があると思います。こういった「機能食品」の広告って、おもしろい表現のものが多いと思いませんか?ストレートに「激安!お買得!!」と訴える広告よりも、より心に訴えてくるというか、納得させられることが多いように感じます。
直接的な効果・効能のアピールが禁じられることにより、その製品を使うことによって得られる感情や、達成される目的といったものに焦点が移ります。グリナの例はまさにそれですね。「深い眠りを誘う」というのが効能であるとすれば、それによって得られる「満足感・快眠感」に焦点を当て、アピールしているわけです。これにより、直接得られるモノの先にある価値を想像しやすいという効果が生まれています。この「直接的な効果を端折った上で、最終的に達成されるはずの目標を一言で説明する」という意識が、「キメぜりふ」を生み出す原動力になっているのではないでしょうか。
「必要は発明の母」ではないですが、時には様々なハードルを設けて、それをクリアする手段を考えてみること。それが画期的なアイデアを生み出すのだ、ということをMJの記事は示しているように感じました。
Special
- PR -| 近藤俊司 | 2006/12/14 14:20 |
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おっしゃるとうりです。 以前、睡眠に有効なアミノ酸入りのサプリに「羊を数えるのに疲れたら…」というコピーを考えたこともありました。 ただ現実的には、いい加減な商品を販売している業者の温床になっているのも事実(NGとなれば名前を変えたり、リパッケージするだけ)なので、効果効能はもちろん、副作用も含めた正当評価ができる、ルール作りも必要だと感じます。 もともと薬品だったものが、規制緩和で食品になっているケースや、国外では薬品扱いの物があるのも事実なので、いい面ばかりのPRはやはり危険なのです。現行薬事法では、トクホ以外の食品には効果がないから、とうぜん副作用もなにのです。口にするものであれば、どんなものでも必ず大なり小なり体に影響を与えますから… | |
| アキヒト | 2006/12/15 01:36 |
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> 近藤さん
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