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タイミングの重要性

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飲酒運転による交通事故が問題になっています。最近も飲酒運転の厳罰化により、「お酒を飲んで運転する」という行為自体を無くそうという動きがありましたが、罰則だけでは限界があります。そこで別のアプローチで飲酒運転を減らそうと、こんなサービスが登場しているとのこと:

飲酒運転防止へ駐車場で「代行」紹介 日本駐車場開発 (asahi.com)

駐車場運営の日本駐車場開発が、駐車場で運転代行業者を紹介するサービスを期間限定で実施するというニュース。駐車場であれば、いままさにクルマを運転して帰ろうとしているところのはずですから、まさしく「飲酒運転を水際で食い止める」サービスといったところでしょう。

飲食店で運転代行業者を紹介するのは珍しくありませんが、飲食店では「目の前にいるお客様が、これからクルマを運転して帰ろうとしているのか否か」を確認する術はありません。「もしお車でご来店なら、代行業者を呼びますが・・・」と声がけすることも可能ですが、「違うよ」「いらないよ」と言われてしまえばそれまでです。しかし駐車場の場合、千鳥足でクルマに乗り込もうとしている人に対して「かなり酔いが回っているようですが、代行業者をお呼びいたしましょうか?」と提案することが可能です。提案される運転手の側だけでなく、サービス提供者の側にとっても、効率的な仕組みと言えるでしょう。

有益なサービスを用意していたとしても、それを使ってもらえなければ意味がありません。だからといって四六時中「これは素晴らしいサービスだ!」と大声を出すわけにもいきませんし、できたとしても非効率なだけです。今回の日本駐車場開発の取り組みのように、「あるサービスがまさに必要とされる瞬間に、そのサービスをアピールする」というタイミングを計ることは、非常に重要なことだと思います。

考えてみると、「精肉売場に焼肉のタレを置いておく」(これで焼肉にしようかな、と思ったタイミングでタレの存在に気づかせる)というのも同じ発想かもしれませんね。自社の製品/サービスをどこで・どのタイミングでお客様の目の前に差し出すのが最も効果的か、再度確認してみることは有益なのではないでしょうか。

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