新人記者、ササる
最近、私の会社の先輩であるITmedia ビジネスオンラインの編集記者、土肥義則さんが書いた本を読む機会がありました。その本について(というより土肥さんについて?)投稿させて頂きます。
四か月前、私がまだ記者研修中だった頃に、土肥さんのインタビュー取材を見学する機会がありました。プロの記者の取材現場(インタビュー)を見学するのは人生で初めての体験だったので今でも新鮮に覚えています。
話の引き出し方、鋭い指摘と質問。これが「プロの記者か・・・」と私は土肥さんの取材を横で見ながら感動していました。私は大学生の頃から記者という職業に憧れていましたので、その時は少年野球をやっている球児がプロ野球選手を間近で見ているような感動に近かったと思います。
そのインタビューは「水曜インタビュー劇場」の取材でした。この「水曜インタビュー劇場」は2011年から始まった人気連載であり、いよいよ2015年6月に「ササる戦略」というタイトルで書籍化することになったのです。
私たちがよく知っているあの商品が人気商品に育つまでの知られざる"苦難の道のり"を知ることができ、意外な史実の発見がたくさんある面白い内容です。多くのビジネスマン、特に商品開発、企画系の業務に携わる人とってササるポイント盛りだくさんの本だと思います。
ちなみに、これから記者になる私が一番心にササった場所は「まえがき」でした。
「仕事を楽しんでいる人がいて、その一方で、仕事を楽しんでいない人がいる。こうした現実がある中で、自分は一体何ができるのか。そう考えた時、楽しんでいない人たちの"代理人"として、楽しんでいる人たちの声を聞いてみてはどうだろうか。」
こうした想いがあって「水曜インタビュー劇場」の前身である「仕事をしたら○○が見えてきた」というインタビュー企画が始まったそうです。なんだか、かっこいい・・・。働く人の心にササる"栄養ドリンク"となるような記事だったからこそ、人気連載となり、書籍化にも繋がったのですね。
私も、誰かの心にササる記事を書いていきたいと思えました。
「ササる戦略」は土肥さんと取材対象者の対談形式で書かれています。土肥さんがどのような話の流れで、どのような質問を繰り出して、どのように話を引き出しているのかが良く分かる本です。本書を読んでいると、インタビュー取材に同行したときの光景が蘇ります。初めての取材同行で感動したことや、「まえがき」を読んで心にササッたことなど、初心を思い出せるように、時々この本を読み返そうと思います。