ETロボコン2010関西地区大会の振り返り ~前編:地区大会までの道のり~
ETロボコン関西地区大会が終了して1ヶ月がたってしまいました。ばたばたしているうちに、時間は早くも過ぎ去っていきますね。ここでは、2回にわたって関西地区大会の振り返りをしておきたいと思います。
まずは、地区大会が開催されるまでの各種イベントです。
1.関西地区独自勉強会1の開催
7/31(土)に関西地区独自勉強会1を開催しました。会場は私が勤務する富士通ラーニングメディア関西トレーニングセンターを利用しての実施です。
昨年から始めた試みで今年で2回目となります。当日は、26チーム72名もの方にお集まりいただきました。ありがとうございます。
ETロボコンでは、標準で技術教育会が2回開催されますが、それらではカバーできない技術要素や、組込み全般の話題、ETロボコンを活動するのに必要なプロジェクト活動に関する話題まで多種多様なセッションが合計11セッションも開催されました。
なお、人気セッションベスト5は下記のとおりです。
1位 37名 L-2 : トレーサビリティ超入門(分析設計編)
2位 30名 B-1 : RTOS( tOSEK)解説その1,その2
3位 27名 B-3 : シミュレーション講座:ODEを使ってみよう!
4位 25名 A-3 : C++言語でのモデル実装・入門編
5位 24名 C-2 : 制御(工学?)入門
モデル審査における、モデリングという点は長年の経験でスキルを積んだみなさんにとって、性能や制御系といった次のステップに関心が移ってきたのかもしれません。
みなさん、熱心にセッションをご受講されていました。
また、セッションとは別にETロボコンを進めるにあたり困ったことを実行委員に直接相談できる「相談所」や、昨年の優秀モデルの掲示なども行いました。実際の走行体を走らせる「プチ競技会」も開催されました。こちらの競技会は、なかなかセッションを受講していると参加しずらかったかと思いますが、優勝されたTeamMOMOチームのみなさんおめでとうございます!
勉強会が終わったあとはもちろん懇親会。参加者のみなさんといろんなロボコン話で盛り上がりました。
2.地区大会前に2回開催される試走会
8/22(日)、9/5(日)の両日に試走会が開催されました。試走会は、地区大会と同じコース環境を用いて走行させることができる貴重な時間です。特に関西地区大会は、地区大会の会場と同じ京都コンピュータ学院様で試走会を開催しているため、環境面においては様々な情報をかき集める絶好の機会となります。
1回あたり2時間という限られた時間内での調整ということもあり、どのチームもこのときばかりは真剣そのもの。若干、張り詰めた空気が流れます。
また、試走会ではおなじみになってきましたが、プレ車検のコーナも用意しました。ETロボコンでは、全チームが同じレギュレーションのもとに走行させることが義務付けられているため、大会当日にはハードウェア仕様が適合しているかどうかを確認する「車検」が行われます。もし、大会当日に不適合と指摘されると、その場で組み立て直さない限り大会に出場できないため、そのリスクを軽減するために試走会で事前に確認を行うサービスです。今回も、何チームかのみなさんがプレ車検を受けていました。
今年のコースには、新たに段差を越えていく「階段」、「シーソー」や、超音波センサで障害物の衡立状況を検知して走行する道を判断する「ミステリーサークル」など新たに難易度の高い障害物が増え、それらを何度もチャレンジしているチームも数多くいました。
ちなみに、われわれ実行委員もこの会場で地区大会を開催するのが3度目となり、かなり準備も手際よくできるようになってきました。
第1回目の試走会を開始する前に会場を準備しますが、以下の写真のように、コースを設置するステージの足場を増床し、コースの下地のスタイロフォームを敷き、コース布をその上に敷き、障害物などをコース上に配置して終了です。今年は2時間もかからないうちに完了しました。
3.提出モデルの審査会
地区大会10日前に各チームから設計等モデリングをまとめたドキュメントの提出を行っていただきます。ETロボコンのユニークな点でもありますが、競技の走行が良いというだけでなく、どのようにしてソフトウェアを作り上げたのか、そのモデルについても評価の対象となります。
そこで、地区大会1週間前に本部から1名審査員を派遣していただき、関西地区実行委員会のメンバーを加えた総勢13名で、関西地区42チームのモデルを審査しました。
審査は、大きくモデル全般を評価するチームと性能を審査するチームにわかれ、それぞれ3チームで分担してチェックしていきます。
1日目は、およそお昼の12時前に開始した審査は、夜の20時くらいまで行われ、10チームほどに絞られます。
翌日、一次審査をクリアした10チーム分のモデルをさらに吟味し、最終的に各審査員がこれが一番というものを指さしで投票してエクセレントモデルが決定したのです。
こちらも半数は3回目という方でしたので、ほぼ計画どおり進行しました。