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「結果を先に知ること」は学ぶことを限定する

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時代がすすむにつれて情報も多種多様になってきていますし、生活での忙しさも増して、さらに意志決定をして行動をするまでの時間も短くなってきています。その反動か、ある事象に対して答えや解法を先に知りたがる人が増えてきたと思います。この傾向に拍車をかけているものは、情報量の増加と情報を得るまでの時間の短縮にあるのではないでしょうか。

世の中で起きていること、そして新しい発見や技術の進歩に関しても、1分でもたてば過去形で話される時代です。そんな中で、たとえば新しい技術にしても、それまでの試行錯誤に関してではなく、新しい技術の仕組みを先に知ってしまうことで、すべてが簡単なことのように捉えられてしまいます。

その一方で、世の中で起きることには背景がありますし、すべての物事、発見、技術の進歩にも、その後ろで膨大な労力と時間を費やしています。結果を先に知るということは、これらの労力と時間に関しての理解や経験を迂回してしまう可能性があります。

時間を節約して効率よく物事を吸収することも大事ですが、バランスをもって労力や時間をかけて、自ら試行錯誤をしてみる経験を積まないと、学ぶ内容も限定されていくと思います。結果を先に知ることは、映画の結末を先に見てはじめから見直すことや、2度めに見る映画のようなもので、その中には感動も薄れますし、記憶に残るものも少なくなります。そして何よりも先を考えて、思いや考えをめぐらすことも少なくなります。

たまには、ゆっくりとひとつのことを自分の頭で考えてみたいものです。

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