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生活が苦しいからこそ増税なのでは?

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暫定税率の茶番劇は別として、増税の話になると「ただでさえ生活が苦しいのに、増税なんてどんでもない」みたいな話が席巻します。これは税金に対して、江戸時代の年貢(農民が武士にむしり取られるもの)のような感覚があるためなのでしょうか。本来、税金は富の再分配機能を果たしていたはずで、「生活の苦しい人が多い」など社会的問題解決に対してコストが必要な際に、徴収した税金の分配を行うものでした。その分配ルール(及び徴収ルール)を決めるのが政治(権力)という構図だったと思います。

結局、「生活苦しいのに何で増税?」という意見が支持されるのは、政治に対する不信感が根底にはあります。しかし、「生活の苦しい人が多い」というような問題を解決できるのは政治の役割が大きいのも事実です。そうであれば、現在の政府と違う政府を選択することになるのでしょうが、そういう動きでもありません。食糧不足が深刻な国では、本当に暴動が起きています。そういう点で考えると、日本の危機感はまだまだ切実感に欠ける、ということになるのでしょう。それはそれで、(食糧不足を起こしていないという点で)政治が機能しているとも、(財政危機に無頓着な)有権者が従順であるとも言えることでしょう。

単純な増税反対論ではなく、税金の使われ方に対する政策の選択ができるような政治にしていくのは、有権者の意識が鍵を握ると思います。地球レベルで考えれば、生活の苦しい人が少ない日本で、富の再分配をより善くしていくのは、政治ではないと考えられているようです。

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