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紛争やチェルノブイリとは全く別の顔を持つ多数の天才的IT技術者を輩出したIT大国、ウクライナの真実の姿に迫る。

比較文化論:ウクライナ人と日本人(および他国人)の共通点、違う点 柴田裕史

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本日はウクライナに住んで早1年弱にもなる日本人ITコンサル・起業家である筆者がウクライナでウクライナ人と一緒に仕事をしたり友人関係になる中で感じたウクライナ人と日本人(およびアメリカ人、西欧人など)が似ていると思った点、逆に非常に違うと思った点について徒然と書いていきたいと思います。

両者が似通ってる点

1:基本的にシャイであり、赤の他人と話さない。

日本人で例えば道端で赤の他人と話す人は地方のおばあちゃん、大阪のおばさん、怪しい宗教の勧誘かセールス、その他にはちょっとおかしいかヤバイ人のどれかでしょう。特に大都市であり、他人に冷たい東京だと全く他人と話さなくて生活するのも可能だと思います。筆者がかつて住んでいたアメリカのカリフォルニアなどは赤の他人ともさりげない会話を交わしたりニッコリスマイルすることがよくありました。ウクライナはその点他人とは基本的に話さず、あまり関りを持たない傾向があると思います。これがヨーロッパでも南欧やフランスなどに行くともうほっとけ、と言いたくなるまでうざいほど関わって来たりします。筆者は東京に長く住んでいたのでウクライナの比較的ドライな人間関係は居心地がいいです。

2:一旦友達になると友情は長く続く。コネ社会である。

人にもよるでしょうが筆者の場合日本では人間関係を新しく作り友達になるのは比較的時間がかかる傾向があると思います。これがアメリカとかだと数回言葉を交わしただけでFacebookで友達になったり、もう親友のようなフレンドリーさ(悪く言えば馴れ馴れしさ)があります。その反面アメリカなどは表面的な付き合いは多いですが本当の親友を作るのはかなり難しいのではと感じます。ウクライナはカルチャーや性格がちょっとアジアよりというかウェットなので日本人は溶け込みやすいのではと思います。あと仕事上のパートナーなどもコネ社会を反映し、友達同士ですることが多いと感じます。ドライな北欧、西欧、北米とは一線を画し、ちょっと前の日本と似ていると感じます。

3:両国民とも基本単一民族国家であり、外人、同国人の区別がある。

日本には最近外国人も増えてきましたが欧米諸国に比べると単一民族国家と呼んでもいいほど日本に住んでいるのはほぼ日本人で日本語を解すると皆が考えています。ウクライナはユダヤ人、カフカス系、ロシア人、ハンガリー人、ポーランド系、タタール人など人種構成は多少違いますがほぼ100%の国民がウクライナ語とロシア語のバイリンガルでスラブ系人種と考えられており、ウクライナ国外(例えばアメリカやカナダなど)でウクライナ人同士は結束が固いなど日本人と似たような傾向がみられます。これは逆に言うと自国民(ウチ)と外国人(ソト)を意識的、無意識的に区別しているということです。よって外国人とわかると英語で話し出したりします。外国人が逆に優遇される場面も多々ある点も日本と非常に似ています。(ただしこの場合の外国人は近隣諸国やスラブ系は含みません。)アメリカやフランスのような多民族国家では自国にいる人間はどんな人種であろうと自国民と考えるのがデフォルトです。

4:基本真面目で働き者である。

ウクライナ人IT技術者と仕事をしていると自分のコミットしたタスクに対し、非常に熱心に真面目に取り組む姿勢が見られます。フランス人のように仕事が終わっていないのに定時やバケーションなので途中でほっぽり出して帰るなどのような態度はまず見られません。国が急激に発展しており、頑張れば頑張るほど報われるという意識があるため、日本の高度成長期にもおそらく見られたであろうハングリー精神溢れるモーレツ社員が多く見受けられます。

両者の相違点

1:年配者の店員や公務員の愛想は非常に悪くプロ意識もあまりない。

日本のコンビニのようなキオスクに行くとウクライナ人のバブシュカ(おばちゃん)がいかにもやる気のなさそうに対応してくれます。まるで旧ソ連からそのまま飛び出してきたようなこの店員たちは仕事に対する熱意などは微塵も感じられず早く定時になって仕事を切り上げたいとばかり考えているように見えます。もちろんサービス精神はあまりありません。彼ら彼女らの時給はIT技術者とは天と地の差なのでしょうがないと思うしかありません。東京のコンビニやサービス業のスタッフの多くが外国人になってきている近年ですがサービスレベルは世界トップレベルだと言わざるを得ません。

2:飲む酒の量は尋常でない。

日本人も飲み会が大好きで酒飲みも多いですがこちらの人の飲む量に比べたらかわいいものです。流石スラブ系だと思い知らされます。

3:ウクライナ人はグローバルな視野がある

ウクライナ人はいつもアメリカやドイツに引っ越すとか仕事で出張するなどの話を日常的にしています。日本よりも移住に関心が高く国境を軽々超えることができるように感じます。自国マーケットの規模が小さいことからビジネスの視野もグローバルで最初からアメリカやヨーロッパなどのグローバル市場をターゲットに世界レベルのビジネスを展開することが多いです。IT業界に関しては英語力は日本人のそれの比ではなくほぼ全員が流暢な英語を話します。

以上、世界8か国に在住経験のあるウクライナ人と日本人の比較文化論でした。ウクライナ人とビジネスをする際に頭の片隅に置いていただければ幸いです。

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Ago-ra ITConsulting柴田へのご連絡は下記まで:hiroshi.shibata@ago-ra.com

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