「信頼の蓄積」と「グレース・ケリー」
映画「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」を観てきました。
映画として面白いか、と言われると、うーん、どうかな?という感想です。
ニコール・キッドマンがグレース・ケリーというか、グレース公妃役で出ているのですが、本物のグレース・ケリーの雰囲気が出ているような出ていないような・・。
映画では、ハリウッド女優からモナコ王室に嫁いだグレースが、いろんな人に「へんっ、よそ者が」とか「アメリカ人が」といじめられたり、意見を聴いてもらえなかったりするシーンが出てきます。
それでも、最初、グレースは、「私は女性でも意見をきちんと言うように父親から育てられた」と反発するのですが、徐々に態度が変わってきます。
まず、フランス語の難しい発音を練習します。
立ち居振る舞い、表情なども訓練を受けます。
そして、自分ができることを少しずつやり始めると、周囲が味方するようになってくるのです。
これで思い出したのは「信頼の蓄積」という話です。
「信頼の蓄積」理論とでも言うリーダーシップ理論があります。
「新しく組織に入った人は、まずその組織において当たり前のことを当たり前に行うステップが必要だ。そうすることで周囲から"意外にちゃんとやるじゃん"と思われる。それが信頼の"貯金"となる。貯金がたくさん増えたところで、その"信頼の貯金"を行使する。この時初めて他者に対して影響力を発揮できる」
といった内容です。
よそから来たリーダーがたとえ鳴物入りで組織に新規参入しても、既存メンバーからは、値踏みされる段階がある。
だから、最初から大改革なんかしようと思っても、誰も耳を傾けない。「よそから来て何言ってんの?」となってしまう。
その組織の中で当たり前になされていることをまずは自分もやってみる。そして、周囲からの信頼を獲得する。そうしないと、どんなに新しく、素晴らしいことをしようと思っても、誰もついてきてくれないよ、というわけ。
リーダーというのは、フォロワーと対になっていて、フォローしてくれる人(ついてきてくれる人)がいなければ、リーダーはリーダー足りえない。
フォローしてくれる人は、どういうプロセスでフォローするかといえば、まずは、「信頼できるか」を見ている。
グレースがフランス語を真剣に勉強したり、立ち居振る舞いや表情の訓練を学んだりしていくことで、それを周囲が見て、徐々に信頼し、最初は、「アメリカから来た平民が!」という扱いだったところ、最後にはグレースのスピーチを静かに聴いてくれるところまで行くのでした。
映画の主題が何だったのかは最後までよく分からなかったのですが、「信頼の蓄積」理論と結び付けて考える材料とはなりました。
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で、全然関係ないのですが、今、銀座でやっている「Christian Dior」の展覧会がとても素敵です。
ドレスも多数展示されていて、無料、写真撮影OK。
【北斎?ドレス】