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ブロックチェーンの浸透は、まだまだこれからだ

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企業向けにブロックチェーン技術の情報提供や導入コンサルティングを行っているすずきと申します。オルタナティブブログは初投稿です。

さて、「ブロックチェーン」と聞くと、なんだかよく分からない、本当に意味があるものなのか、仮想通貨と何が違うのか、ビットコインはもう稼げないのか...などと考える方も多いかと思います。

今回の記事では、まずざっくりとブロックチェーンの概要と現状、そして将来どうなるかというのをお話しようと思います。

ブロックチェーンとはそもそも何か

ブロックチェーンは、元々はビットコインの台帳システムでした。国という発行主体がないビットコインの画期的なシステムが注目され、やがてその台帳システムが「ブロックチェーン」という独立した概念として研究されるようになったのです。

ビットコインから派生した概念だけあり、仮想通貨(暗号資産)とブロックチェーンは一体不可分です。簡単に言えば、仮想通貨は「ブロックチェーン上で価値を示す媒体」であり、仮想通貨の送受信を行うことで、ブロックチェーン上での価値の取引がなされるわけです。

ブロックチェーンの特徴は、中枢となるサーバーが存在せず、無数のユーザー達がサーバー上に取引データを保存・同期し運用するというP2Pネットワークを採用している点です。

これにより、アメリカや日本、あるいは企業といった発行主体がなく、それらの組織による価格調整や、破産による価値の消失リスクがない通貨の運用が可能になります(企業や国が発行主体のものも多くありますが)。

なお、仮想通貨はお金(価値)としての運用だけでなく、「権利を示すもの」として扱うことも可能です。例えば、ある仮想通貨を1枚保有している人は、それをライブ会場で提示することによって入場できる、といった仕組みでも用いられています。

また、ブロックチェーン上の情報は第三者による改ざんリスクが低く、また通常のサーバーと異なりダウンタイムも原則0のため、それらの強みを活かして新しい金融システムをブロックチェーンベースで構築する動きも進んできています。

このように、ブロックチェーンはビットコインに端を発しつつ、今では様々なビジネス領域をアップデートするテクノロジーとして注目を集めている存在なのです。

ブロックチェーンは「幻滅期」にある

一方、2017年から翌年1月にかけての「仮想通貨バブル」と言える頃に比べると、世間一般で仮想通貨(ビットコイン)やブロックチェーンという言葉を聞く機会は、今やめっきり減ったのではないかと思います。

当時は主要仮想通貨取引所もバンバンCMを流し、リアルでもWeb上でも「仮想通貨は儲かる!買った方がいいよ!」といった声が飛び交っていました。それに伴い、ブロックチェーンの概念やブロックチェーンを用いたプロジェクトの情報も広く発信され、支持する声も多くありました。

しかし、仮想通貨の価格は今や当時の数分の1~数百分の1にまで落ち込んでおり、熱狂はどこへやら、という感じです。再度の値上がりを夢見ている人や、一部のギーク、ブロックチェーン事業者達のみが発信を続けている状態です。

個人的にはまあ、言ってしまえば「平常運転に戻っただけ」かとも思うのですが、一方で世界的なITシンクタンク企業のガートナーによれば、「ブロックチェーンは幻滅期にある」とされており、消費者のみならず産業レベルでも「過度な期待が終わったフェーズ」にあると言います。

実際、各企業はブロックチェーンを用いた技術開発を行い、実証実験を通じてその有効性を検証していますが、現状ではなかなか明確な成果を出せている例は見られません。そのため、見切りをつけて「ブロックチェーンは幻想だった」というスタンスを取る企業も中には出てきています。

ブロックチェーンの今後の動向は

一方、ブロックチェーンや仮想通貨を巡っては、世界各国で法規制や税制もめまぐるしく変わっており、また技術面でも次々とアップデートが行われています。数日間ニュースを追わないだけで最新情報が見えなくなるほどの、激動の業界であると言えます。

そのため、現在は幻滅期のさなかで見切りをつける企業や人々もさらに出てくると予想される一方で、将来的にはより進化したブロックチェーンが産業全体をアップデートする可能性も上がってきていると言えるはずです。

また、うまく良い結果を出せなかった実証実験がある一方で、実験後に実用化に向けて開発が進んでいるものや、既にローンチされているブロックチェーンソフトウェアも増えてきています。

さらに、電子政府化が大きく進んでおり世界中から注目を集めるエストニアは、その基幹システムにブロックチェーンを採用していることが話題となっています。日本でも登記システムなどをブロックチェーンに移行する検討もなされており、消費者・企業そして国といったあらゆるレイヤーを変革する未来も見えてきています

上述のガートナー社によるハイプ・サイクルでは、「幻滅期」の後にはゆるやかな成長曲線が待っています。同社によれば、およそ5~10年後にはブロックチェーンによる社会変革が待っているだろう、とのことです。

このことから、今ブロックチェーンに見切りを付けるのはまだ早く、むしろ今のうちに関わっていたほうが良いのではないか?というのが私のスタンスです。

なお、5~10年後といった見方は、世界産業レベルのマクロな視点です。ツールやサービスといったミクロの視点では、より短い時間でユーザーベネフィットをもたらすプロダクトが登場するのではないかと思います(法規制次第でもありますが...)。

ブロックチェーンの今後の動向を、ぜひ注視していただければと思います。

 


合同会社むすびては、企業向けにブロックチェーン・仮想通貨技術の導入コンサルティング、システム開発を行う会社です。

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