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ブランドは借り物ではない

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HP(ヒューレッド・パッカード)がiPodのOEM販売をストップするそうだ。iPodを買いたい人とMP3音楽プレイヤーを買いたい人は、微妙に異なっている、というわけだ。

OEM(Original Equipment Manufacturer)は、強い販売力がある企業と良い商品を持つ企業の政略結婚のようなものである。この場合、前者がHP、後者がAppleだったわけだが、結果的に思惑は外れることになった。HPはiPodの販売量の5%ほどしか売れなかった、というが、僕が思うに決して悪い数字ではない。だって、AppleのiPodが欲しいのに、他のメーカーから買う理由を見つけた人が5%もいるなんて、信じられないくらいだ!

iPodは出来の良い音楽プレイヤーだから売れているのではなく、Appleが出した音楽プレイヤーだから売れている。この真理を考えなかったのはHP側で、実はApple側は別の意味で驚いていたと思う。「へえ、5%も売れたんだ」と。OEMは製品を借りることは出来てもブランドを借りることは出来ない。そこを考えなければOEMや企業のコラボレーションはうまくいかないだろう。

ブランドは借り物ではなく、自ら作り上げるものだというシンプルな真理を信じることは、そんな難しいことだろうか。

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