日本の地震防災を考えるサイトユレッジ
3月に東日本大震災の被災地の石巻などの東北エリアをアメリカの動画ブロガーのCali Lewisなどどツアーしてきたのは、このブログでも書かせていただきました。あの震災以来、日本と地震は切っても切り離せない関係となり、私たちは絶えず防災に意識を向けざるをえない民族になったのです。
その東北ツアーにも同行いただいたETの加藤康祐さんから、先日連絡を受け、彼が積極的に地震や防災に関わるサイトの支援をしていることを教えてもらいました。彼、加藤康祐さんが今回独立行政法人防災科学技術研究所のJ-SHIS 地震ハザードステーションのサポートを受けながら、新しく運営をスタートしたのが、今日ご紹介するユレッジというサイトです。
友人のジャーナリストの松村太郎さん やISHINOMAKI2.0の渡邉享子さんの寄稿などからなるユレッジを読めば、東北の被災地の現状や今後の支援のあり方がどうあればよいのかがよくわかります。特に松村さんの「日本中のどの街にも必ずある神社の鳥居と社が、津波の被害を免れ、きちんと残っていたということです。もちろんところによっては、参道の階段の大半が津波で流されてしまっている神社もありました。しかし社はきちんと津波の水面の上に出るようにして、何かを訴えかけていました。」という文章が印象的でした。今の日本人だけが、地震に悩んでいたワケではないことがよくわかります。私たちが生き残るためには、最新のテクノロージーに頼るだけでなく先人達の知恵からも学ぶ姿勢が大事であることを改めて認識した次第です。
石巻の復興に尽力する渡邉享子さんの現場力の話も納得です。被災地の復興には、本当に「人」が欠かせません。その人と石巻のコミュニティについて書かれている渡邉さんのテキストを読むと、東京サイドで考えている政策とのギャップを感じます。以下ユレッジの渡邉さんの寄稿から引用します。
被災した石巻の中心市街地に住みたいという移住者に「津波の危険は考えないのですか」と、聞いたことがありました。これに対して「高台にいるよりも揺れたときに職場やよく知っている人がいる中心市街地にあえて住みたい」とお話をいただきました。このように物理的空間の問題にとどまらない生活の豊かな考え方が、防災に対して土木構造物よりはリアルな実感をもってつながること。防災とは、社会や環境と上手につきあうことなのだと腑に落ちた気がしました。
防災とは「社会や環境と上手につきあうこと」。私たち日本人はこの言葉を忘れないように、今後も対策を考えて行くべきだと、私はこのユレッジから教えてもらうことが出来ました。
他にもユレッジにはJ-SHIS Mapというツールの使い方を対話形式でわかりやすく伝えるコーナーもあります。こう言った活動は「アウトリーチ」と言われ、専門性の高いものわかりやすく伝える手法として有効だと思います。日本人の専門家に足りない視点は、判りやすさだと前々から思っていましたが、加藤康祐さんのこの取り組みが、認知されることで判りやすさへの取り組みがもっと広がると良いと思った次第です。
今後のユレッジに期待したいのは日本人の防災意識が高まるようなコンテンツ!普通の人々が気軽に読めて防災を自分ごとかできる鉄板コンテンツを充実してもらいたいです!