生命保険は「分かりづらい」のではなく「分かりづらくされている」②
多くケースで生命保険相談の初見で登場するのが、伝統的国内生保の御姉様方です。
「どんどん保障が減っていくのは不安ですよね~」と言う方がいらっしゃったり、「10年後はどうなっているのか分からないから、10年以内に見直しができるようにしておきましょう」と保険会社にとって"合理的な"10年更新型を強力に勧めて、更に「入院や介護も一緒につけておけば将来も安心でしょう」目的が異なるもの(死亡保障⇔入院、介護)パッケージして、ひとつにまとめることによって分かりやすくなったように見せかかけます。
なるほど、ひとつのパッケージにすれば申込書や告知書など1枚で済みますし、保険金請求は1ケ所でいいわけですので「分かりやすくなっている」ように感じます。
ただ、保障内容を見ると、まず10年後(更新時)の保険料は分からない、特約の保障期間はバラバラでそれぞれ異なり、いつまで同じ保障内容を継続できるのか、どこまでダウンサイジングできるのか分からないものとなっています。
また、当然ですが医療や介護保険などの特約だけ残して、主契約(おそらくここでは極めて薄い終身保険)を解約することはできません。
つまり主契約と特約がお互いに制限し合うような形になっており、極めてメンテナンスがしづらい形になっていますが、一定期間(10年更新なら10年)の保障内容は充実しているように見せかけています。
勧められたお客様は「10年後のことは分からないから、今の保障が充分ならばいいか」となり、分かりづらいことを正当化されてしまいアリ地獄のような生命保険に加入してしまうのです。
端的に申し上げれば「生命保険はこういうもんだ」と思いこまされてしまう、つまり「分かりづらくされている」のです。
ここで「御姉様方」は全く悪くありません。
諸悪の根源は、このように"内容が充実しているように見せかけているが、実は不当に搾取する仕組みで、それがバレないようにわざと分かりづらい生命保険商品を開発して販売している保険会社"です。
御姉様方は生活のために、所属する保険会社の商品をトレーナーから教わったことに自分なりにアレンジをして販売をしているだけです。
30年ぐらい前から、伝統的国内生保は以上のような開発、販売を現在まで続けています。
しかし、現在はもっとシンプルで分かりやすく、更に保険料の負担が軽くて合理的な商品を提供する保険会社が多くあります。
問題の本質は、生命保険相談の初見で「分かりづらいのは仕方がない」と刷り込まれてしまう方が全体の7割ほどを占めていること、ひいては未だに「分かりづらい」生命保険商品を主力で開発、販売している一部の保険会社の姿勢であると断じます。
「分かりづらい」上に「使いづらい」、はたまた更に「コストは割高」なのが伝統的生命保険です。
合理的な判断をする方が加入する理由はひとつもありません。
本質的に保険で難しい判断を要するところは、リスクがどのぐらいあるかの測定とともに、どのぐらい備えるか、だと思います。
リスクのすべてに備えていたら、保険料の負担は膨大になり生活に支障をきたして本末転倒になってしまいますので、負担できる範囲でどこまでリスクに備えるかが焦点となります。
本来、生命保険商品のひとつひとつは極めてシンプルなものです。
生命保険は「分かりづらい」のではなく一部(大多数ですが)で意図的に「分かりづらくされている」と認識しましょう。
シンプルで分かりやすく役立つものはたくさんあります。