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児童養護施設で暮らす子供をサポートする「チャンスメーカー(Chance Maker)」

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前回のブログで認定NPO法人Living in peaceミュージックセキュリティーズ株式会社と提携して展開する「マイクロファイナンス貧困削減投資ファンド」を紹介しました。今回は、同じくLiving in peaceが展開している児童養護施設向けの教育環境改善、進学支援プログラム「チャンスメーカー(Chance Maker)」を紹介します。

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児童養護施設で暮らす子供たちは30,000人以上

以前、同じく児童養護施設で暮らしている子供たちの教育をサポートしているNPO 3keysを紹介した際にもお話しましたが、日本全国で30,000人以上の子供たちが約580の施設で暮らしています。

そのうち、実の両親が揃っている子供が全体の23%、実の母親のみがいる子供が35%、実の父親のみがいる子供が16%だそうです。そして、母子世帯の貧困率(相対的貧困率、年収が全国民の年収の中央値の半分に満たない人の割合)は66%と突出しています。

施設で暮らす子供の53%が虐待を受けたことがある

経済的に厳しい環境で暮らしていた上に、施設で暮らす子供たちの53%が虐待を受けたことがあるそうです。そして、より細かいケアが必要な子供たちが暮らす施設もまた、その約7割が定員20人以上、平均42人の共同生活の大舎制という課題を抱えています。

さらに、子供たちは18歳になると施設を出なければいけません。アルバイトと勉強の両立は難しく、施設出身者の高校中退率は全国平均の約3倍、大学進学率は約5分の1だそうです。

ITやソーシャルメディアの恩恵を受ける私たちにこそ

チャンスメーカーは、月々1,000円からできる施設向け継続寄付のプログラム。そして、国の補助金や団体からの無利息の借入れを利用し、寄付金額を約4.5倍の価値に増やして施設に届ける仕組みにしています。寄付金は、老朽化した施設の建て替えなどに充てられます。

世界の貧困問題だけではなく、悲しいことに私たちの暮らす先進国でも子供たちの貧困や教育機会の問題が大きく立ちはだかっています。私は、ITやソーシャルメディアの恩恵を受ける私たちにこそ、もっとできることがあるのではないかと思っています。答えは簡単には見つかりませんが、探したいと思います。

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