被災地の事業者の課題トップ3は「販路の開拓」「資金不足」「人材確保」
東日本大震災からもうすぐ2年になります。被災地応援ファンドを展開しているミュージックセキュリティーズが、現在の課題と求められるものについて被災地の事業者にアンケートをとっているので紹介します。
2012年は半数以上が当初の計画より進んでいない
アンケートは、セキュリテ被災地応援ファンドに参加している事業者36社に対して聞いたものです。「2012年を振り返り、事業全体の進捗はいかがですか?」という質問には、以下のような回答でした。
- 当初の計画より進んでいない 53%(18社)
- ほぼ計画通り 39%(14社)
- 当初の計画より進んだ 8%(3社)
半数以上の事業者がが当初の計画より進んでいないと回答しています。復興が思ったように進まない中、予想以上に嵩む修繕費用などが容易に想像できます。
課題トップ3は「販路の開拓」「資金不足」「人材確保」
「現在、直面している課題を教えてください(複数回答可)」という質問に対する結果は以下のとおり。
- 販路の開拓に苦戦 23/36社
- 今なお資金が必要 22/36社
- 若手不足、人材確保が困難 18/36社
- 商品開発 9/36社
- 原材料の調達 9/36社
- 原発・風評被害 9/36社
- 土地の確保 6/36社
- その他 5/36社
「震災から2年がたったが1年目と何も変わっていない」「被災地への関心が薄れ、商品力や販売力を強化しなければならない局面にきている」との声もあるようです。
マルセン食品の場合は国の補助金の利用が課題
私が投資をしているマルセン食品の場合、現在直面している課題は「土地の確保」「人材の確保」「原材料の調達」「販路の開拓」とのこと。そして、国の補助金(施設建設への8分7の補助金)が発表になったが土地の確保が難しく利用できない状況にあり、復興状況にあわせた補助金の提示があると助かるとのことでした。
一方、仮設店舗の売り上げが予想以上にあり、販売先への新商品の提案もできた、という良いご報告もあります。
いま、私たちにできることは何でしょうか
アンケートの概要は以下よりご覧いただけます。
また、各事業者別のアンケート結果はこちらから。
震災から2年、いま私たちにできることは何でしょうか。もちろん私たちにも自分の生活があり、その多くの時間を復興支援に注ぐことはできません。でも、できることはあります。被災地応援ファンドに投資するのもひとつの方法、購入を通じて応援するのもひとつの方法、現地に行ってみるのもひとつの方法だと思います。