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経営者や営業責任者の8割以上が、自社の営業チームが思ったように動かずに悩んでいます。リクルートでもっとも多くの営業チームを立ち上げ、5年連続でNo.1マネジャーの評価を得た著者が「売れるチームづくり」の極意を語ります。

根拠は何なのよ!?と営業マンのヨミ力を鍛えるアナログな日々

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こんにちは。先日10年ぶりにライブをやって、観客席の女の子から「かっこ

いい」という声が聞こえた気がする「空耳がちな営業コンサルタント」庄司充

です。

 

 ちょっと聞いてみたいんですけど、営業コンサルタント、というと、体育会

 系熱血鬼営業所長タイプの延長みたいなイメージ、ありますか?

 え、ある? やっぱりねえ・・・そうなんでしょうねえ。

 いや実は先日、あるクライアントが私を紹介してくれたときに、

 

「庄司さんは絶対に怒らない営業コンサルタントなんです」

 

 というフレーズをかましてくれたもので、思わず「なんじゃそりゃ」と思っ

 て聞いてみたわけですよ。そうしたら、

 

だって、庄司さんほんとに怒らないじゃないですか。

営業コンサルタントなんて、鬼の営業所長みたいに

二言目には気合いと闘魂で怒鳴り散らす厚かましいタイプの人だった

らどうしようと不安もあったんですけど全然違っててほんとよかった

と思ってるんです

 

 などとおっしゃるわけです。

 

 あらためてそういわれてみると確かに怒った記憶ってあんまりないです。

 あんまり・・・・うーん・・・・あれ? ほんとにないな。 ま、怒るより

 も笑って仕事が出来たらそのほうがいいですよね。

 

正直言って、わたしは人の好き嫌いも激しいし、しょっちゅう頭にくるし、

言うまでもなくそんな立派な人間ではありません。

 

ただ、営業チームを育てるのに「怒る」ということ自体があまり有効だとは思

わないから怒らないのです。

 

 じゃあ怒る代わりになにやってるかというと、まあ簡単に言うと「ツッコ

 ミ」です。

 たとえばこんな感じです。

 

ある日のA社営業チームミーティングにて

B君:えーっと、先月からヨミに上がっているC社をなんとか

  今月契約に持っていきます。

 庄司:あれ?C社が先月契約にならなかった理由って何だっけ?

B君:はい、金額の折り合いがつかなくて・・・。

庄司:そうだよね、で、折り合いがつくメドはたったの?

B君:いや、まだです・・・

庄司:だよね~、それってヨミかな?

B君:う~ん、え~っと、すいません願望でした(照れ笑い)

一同爆笑

庄司:(笑いながら)うん、気持ちはわかる。だけどお客さんが無理

   な値引きを要求してくるってのは、まだうちのサービスの本質

を理解してもらえてないわけだから、ここでしつこくクロージ

ングかけるより、一度ヨミからはずしてもう1回仕切り直した

ほうがいいと思うよ。あとで、いっしょに作戦練り直そう!

B君:はい!

 

 

 これ何やってるかというと、つまるところは「営業マンが身につけるべき考

 え方を少しずつB君が学べるようにしてる」んです。

 

 たとえば同じ会社にB君と私が一緒に訪問したとしましょう。同行ですから

 一緒に先方の話を聞いて、こちらからも説明をして、終わって引き上げたと

 ころでの判断が

 

B君:あの会社は非常に有望だと思います

庄司:いやいや、全然ダメだろ

 

 と正反対になっちゃうことなんて珍しくないんです。特に営業経験が少ない

と、どうしても「見込み度合い」への判断に希望と願望(あ、同じか)が入り

込むので、どうしても甘い点をつけがちです。これをそのまま放っておくと、

 

本当は見込みのない会社に手間を掛けすぎて全然成果が上がらず、

肝心の「あと少し不安がとりのぞければ買ってくれる会社」へのプッ

シュが足りない

 

 ということになりやすいんですよ。

 だから、ミーティングではこの「見こみレベルの判定」を念入りにやります。

 

どんな根拠で見こみレベルをいくらと判断したのか

 

 を営業マン11人に喋らせ、そこに私がボケツッコミのツッコミ役を演じるわけです。それを繰り返すうちに、営業マン11人の「判断力」が上がっていくように。

 

 いましがた「ボケツッコミ」と書きましたけど、ほんとにそんな感覚なん

すよね。極めてアナログ的。こんなアナログ的ミーティングを繰り返

て、11人の判断力を上げた上での「見こみレベル」だったら当てになりま

す。


 こういう判断をするにはどうしても「何年もの間、いろいろな会社と担当者

にアタックして成功と失敗と失敗と失敗(しつこい)を繰り返した死屍累々の

経験」が必要で、それを何の経験もない新人営業マンが短期間に身につけるの

は難しい。だから私のようなコンサルタントが「ツッコミを入れる」ことでそ

のサポートをする意味があるんですね。

 

 そんなわけで日々ボケツッコミに余念がない、絶対に怒らない営業コンサルタント・庄司充でした。

 

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