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ソーシャルバブル到来か。米国未公開企業の時価総額に、甘く危険な香り

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Toru_saito_Fuyu Fuku
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2010年最後の記事は、少し警告気味なトーンで締めくくりたい。

今年、米国では「ソーシャルメディア元年」とも言われ、Facebook社やTwitter社といったソーシャルメディア・プラットフォーマーが驚異的な成長を示したほか、Zynga社、Groupon社といった超金脈をつかんだ新生ベンチャーも登場した。
 
実際、これらソーシャル系リーダー企業の成長力は凄まじい。Facebookは利用者数で6億人、Twitterも2億人に迫る勢いで急成長を続けている。Grouponの売上は、創業2年で推定20億ドル(情報元 TechCrunch)と、それまでのZyngaを遥かに上回る史上最速成長ぶりで、世界中に類似企業を生み出した。

その結果、これら企業の株式時価総額は、未公開にもかからわず、信じられないようなレベルまで暴騰しているようだ。例えば、Grouponは、推定売上20億ドルに対して時価総額は最大78億ドル。Facebookにいたっては、同じく推定売上20億ドルに対して、なんと時価総額560億ドルの評価と報じられた。Twitterはさらに過激で、おそらく1億ドルレベルの売上にもかかわらず37億ドルのバリュエーションと、天井に近い企業価値にまでふくれあがっている。

米グルーポン、最大770億円増資を検討 日本経済新聞 (12/30)
Facebookのクレージーな株価評価にオシッコちびりそうになった Market Hack (12/29)
評価額37億ドル:Twitterは「新しいメディア産業」 WIRED VISION (12/17)
 
筆者は、2000年のベンチャーバブルを当事者として身を持って体験し、真っ赤なヤカンに触れた一人だが、今の加熱した投資フィーバーは、規模こそ違え、その時の危うさと重なって見えてしまう。

当時のドットコム・バブルは、果てしないEコマースへの期待感に投資マネーが集中したものだった。今の投資フィーバーの背景には、オンライン2オフライン (Eコマースの20倍規模を持つリアル経済への波及効果) の経済規模や、ソーシャルゲームなどフリーミアムモデルの高収益性への期待感がある。
 
またDegital Sky Technologyのような、常識的バリュエーションを無視するような高額オファーをするプレイヤー、行き先のない投資マネーが乱入したことも、市場価格を釣り上げている大きな要因と言えるだろう。
 
ドットコム・バブルの中心プレイヤーだったAmazonやeBayは、乱高下した株式市場にもかからわず、確実な成長をとげ、押しも押されるリーディング・プレイヤーに成長した。しかし、自戒をこめて言いたい。その成功の影で、大多数の投資家、IT関連ベンチャー、その社員や家族に深刻なダメージを与えたことを忘れてはいけない。
 
幸い、日本は現時点でそれほどソーシャルバブルには巻き込まれていないが、おそらく約1年の周回遅れで、2011年にはミニ投資ラッシュが訪れる可能性が高いだろう。その際には、ベンチャー経営者、投資家とも、過度な幻想や期待感、焦燥に惑わされず、長期的な視野で、健全で成長を心がけるのが重要なのではないだろうか。
 
我々ループスは、元より比べるべくもない小企業だが、2011年も浮かれることなく、お金より大切なものを見続けていきたい。
 
  

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