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【顧客コミュニティを成功させる7つの秘訣】 ~ 「顧客の声」のマネジメント・サイクルを構築すること

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さて,成功の7つの秘訣,最後のテーマは 「顧客の声のマネジメントサイクルの構築」 だ。

企業のブライベート・コミュニティを通じて会話された「顧客の声」は,企業にとって極めて重要な経営資源である。場当たり的に利用したり,一部の部門のみが活用したりでは本来のマーケティング効果,ひいては経営効果は出てこない。

ポイントは,顧客の声の「収集」から「分析」「共有」「改善」という流れを有機的に繋げ,顧客の声活用のサイクルを仕組みとして構築し,組織的にマネジメントしていくことだ。

例えば「商品開発コミュニティ」の場合の顧客の声マネジメントサイクルをまとめたのが次の図だ。

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1.顧客の声の収集
    ・適切なファシリテーションにより,顧客の声に耳を傾ける
2.顧客の声の分析
    ・顧客の声を「見える化」し,気づきや情報を得る
3.顧客の声の共有
    ・鮮度の高い「気づき」や情報を迅速に伝える
4.顧客の声による改善
    ・「気づき」情報から具体的な「課題化」する
    ・改善進捗を「見える化」する
    ・開発商品を投入し「的確なアピール」をする
5.顧客の声による検証    
    ・実施した対策や商品を検証し,効果を確認する
6.成功事例の共有   
    ・成功事例のプロセスを蓄積し,チームの動機付けにする

また,顧客の声を活用した活動を進めていくには,特定の部署だけではなく,全社的に推進する体制が重要となる。

この分野の先進企業として知られる P&G や DELL においては専門部隊が統括し,必要な情報を必要な部門に迅速に届けるとともに,顧客への適切な対話責任を負っている。

事例1.P&G 「コンシューマー・アンド・マーケット・ナレッジ」
顧客理解の向上による顧客中心マーケティングの実現を目的とし,顧客の代弁者として,顧客の声を集める調査を実施。データを分析した所見と考えられる可能性をブランドマネジャー,商品,マーケティング,営業,R&Dなど各部門に提言する役割を担う。

事例2.DELL 「コミュニティーズ・アンド・カンバセーションズ」
顧客コミュニティ「ideastorm」を核として,インターネットを通じて顧客の声を聞き全社的活用を推進する専門部署で,72人もの専任社員が対応している。

多くの企業では,スタート時点では,せいぜい1名の専任社員をつけるのが精一杯という状況だが,それでも既存の業務フローに「顧客」が参加し,マネジメントサイクルを適正にまわす仕組みを構築することで,大きな成果を出している企業もある。

初期段階における組織化のポイントは次の通りである。

1.顧客対話に情熱を持ち,Web2.0ユーザーとしての経験が深い若手社員を一名専任におく(これがミニマム体制)
2.既存業務フローを壊すのではなく「顧客の声」を付加し改善する形を目指し,社内を調整できる中堅社員が現場責任者となる。
3.全社,全部門を横断的に改善していく経営改革となるため,その役割に責任も持てる経営陣の一人が総合責任者として推進する。
4.関連部署とのコミュニケーションを行なうための定例会議体を設置し,コミュニティ開発段階からチームとして関与する。



なお,当社では,ワールドカフェ社と提携し,多様な海外事例に基づき,顧客インサイトを実現するためのコンテンツ企画をコンサルティングしております。ご興味ある方はご連絡いただけると幸いです。

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