『Developers.IO Business Day』に参加しました。小売業デジタルマーケティング事例メモ
2015/3/27にクラスメソッド株式会社さんが主催された『Developers.IO Business Day』に参加してきました。
クラスメソッドさんはAWSを使ったシステム開発を得意とされております。 Business Dayは事業会社さんによるデジタルマーケティングの事例がメインでした。
今、私も小売業界のお客さんと一緒にスマートデバイスを使った店舗支援やオムニチャネルをやらせていただくことが多いので、ハンズさんやパルコさんの取り組みはとても参考になりました。
東急ハンズ
東急ハンズさんではこんな課題があったそうです。
- 社内システムとECのシステムは技術的にも、考え方的にも分離されている。
- 例えば、ECはWebサービスで社内のデータを取得したいが、社内のシステムはCSVをファイルで受け渡すことしかできない。
- 店舗の商品マスタは写真や詳細な説明は無いが、ECではそれらがいる。商品マスタの拡充が必要
- 店舗の方はなかなかインターネット上のお客さんを自分の店のお客さんとは考えない
- 電話で問い合わせが来て、商品を取り置きしておくことは自分の仕事だと捉えているが、アプリやECサイトは別の物だと考えている。考え方を変えていかないと行けない
特に商品マスタや店舗スタッフの気持ちの問題は、システムだけでは解決しない問題です。 いずれもしみじみと身に染みますが、東急ハンズさんでは情報システムと、ECの組織を「どっちもシステムやろ!」ということで統合され、基幹システムも含めてAWS上に移行されていったそうです。
東急ハンズアプリもよく考えられていて、「店舗の中でガシガシ使ってもらう」というコンセプトの通り、店舗内でも使えるし、家に帰ってからも使える。 渋谷店のようなフロアが沢山ある店舗で品物を持って、歩き回るのはしんどい。だから気になった物は欲しい物リストに入れておいて、5000円を超えたら家までの送料も無料ですよーと、機能中心ではなく、ちゃんとお客さんにどう使ってもらえるかのストーリーがありますよね。
東急ハンズさんの事例はなんどは資料を読んだことがあったのですが、プレゼンをされた情報システムと通販事業を統括されている長谷川さんの話しを直接聞くのは始めてでした。とても魅力のあるプレゼンをされていて、一発でファンになりました。
パルコ
各テナントの店員さんが服の組み合わせなどをブログに書き、そこを基点として、Webやアプリで購買につなげていくという取り組みを紹介されていました。
すごいなぁと思ったのは、ブログから購買につながった場合、ブログを書いた店舗にちゃんと見返りがある仕組みを作られているところです。オムニチャネルの成功には、企画やマーケティング、システム側だけのがんばりだけではなく、リアル店舗の協力が絶対必要です。
この取り組みは単にお金の問題だけでなく、テナント企業や、店員さんにパルコさんの本気が伝わったと思います。
パルコさんではどのような具体的な見返りがあるのかは触れられていませんでしたが、売上の一部を支払う、人事評価など色々と会社や部門をまたがる調整が必要だったと思いますが、とても重要なことだと思いました。