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色は日常に当たり前のように存在しています。そして、意識するしないにかかわらず、私たちは色の影響を受けているのです。カラーマーケティングといっても、色の使われ方は多様で、パッケージや商品の色だけに限らず、販売促進、そして企業や人のイメージ戦略、また、商業施設や病院、美容院など様々な環境での色彩計画、そしてセラピーなど、様々な分野に及びます。ここでは様々な角度から事例を紹介し、色を付加価値として取り入れていく方法をお話ししたいと思います。

「VAIO E」に見る色展開のルール

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先日、秋葉原のヨドバシカメラに立ち寄った時、パソコンコーナーでSONYの「VAIO E」シリーズが目にとまりました。

この「VAIO E」シリーズは、低価格・大画面ノート「VAIO N」シリーズの後継として登場した新シリーズで15.5型ワイド、AV寄りの「VAIO F」シリーズ(16.4型)と、やや小振りな「VAIO C」シリーズ(14型)との間に位置するものです。


今回の「VAIO E」シリーズの大きな特徴は、これまでにないカラー&デザイン。
質感は2種類あって、クリア感のある塗装では、ピンク・グリーン・ブルー・ホワイト・ブラック、マットな艶消しでは、ホワイト・ブラック・ブラウン(VAIOオーナーメードモデル/法人向けカスタマイズモデルの14型ワイドのみ)の色展開がされています。

前者は、透明樹脂の天板の内側に塗装をしていて、ピンク・グリーン・ブルーには躍動感のあるドット柄のグラデーションを、ベーシックなホワイトとブラックには精緻なスクエアのグラデーションを重ねていて、クリアな奥行きを感じさせる美しい天面に仕上がっています。

後者は、ワンポイントでパームレストにラメ入り光沢仕上げなので、高級で落ち着いた印象を与えます。

 

しかも、キーボードに装着して着せかえが楽しめる、5色のキーボードウエア(ブラック、ピンク、ブルー、イエロ、バイオレット)があり、本体との組み合わせを楽しめるのです。

VAIOオーナーメードモデル/法人向けカスタマイズモデルを除いても、本体7色×キーボードウエア5色で、35通りの組み合わせから選べるのです。
ウェアは、価格が2980円と安いので、何枚か揃えて、気分によって色を使い分けるのもいいですよね。

 


ところで、今回発売された色にも、実はルールが存在します。
SONYさまが意図していたかどうかは別として、このピンク、グリーン、ブルーはメーカーが商品展開をする時に、最適な色なのです。

実は、この3色、「光の三原色」であるRGB(赤・緑・青)の色調に
若干の変化を加えたものです。


しかも、人間の網膜にある視細胞の中には、
錐体と呼ばれる明るさを感じる視細胞が存在し、
L錐体(赤錐体)、M錐体(緑錐体)、S錐体(青錐体)という
3種類の視物質によって色を認識しているのです。

よって、このRGBと言う色は、人間の脳内でも基本の色と言えるので、
使いやすいのですね。

だから無彩色(黒・グレー・白など色みのない色)以外の
展開をしたい時は、この3色は役に立つのです。

 

このように、色は感性だけではなく、
ルールに基づいて決めることができます。

色の知識を得ることによって、得をすることは多いのです。

しかも、この「VAIO E」シリーズは、色だけじゃなく確かに性能も良さそうです。
大画面で、オリジナル性のあるパソコンとして、かなり魅力のあるパソコンではないでしょうか?

 

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