山本亜季『HUMANITAS ヒューマニタス』(小学館)
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山本亜季『HUMANITAS ヒューマニタス』(小学館)、送ってもらて読みました。これは面白いです。コンペで入選した新人が「ビッグコミックスペリオール」で連載した3つの短編を集めたものですが、たしかな目と力量を感じるし、わずか1冊なのに読み応えがあります。
15世紀中央アメリカの伝統社会での双子の戦いを描く「オセロット」、東西冷戦下で収容所からチェスの能力でソ連を背負って米国代表とチェスで戦う男の話である「ユーリ・シルバーマン」、北極近くのイヌイットの村に漂着した(多分19世紀頃の?)英国人の、イヌイットの女性との異文化体験を描く「エナ」の3編。とくに、最後の作品はいいです。
それぞれ「人間性って何だろう?」という(多分タイトルどおりの)主題を追って、きちんと着地してる感じが初々しい。これ、全1巻となってるみたいですが、ちょっともったいないくらい、次の作品が読みたくなります。マンガも絵もこなれていて、破綻がなく(そこが食い足りないという読者もいるかもしれないけど、小学館だしなあ)、読みやすい。今後の活躍を期待したいですね。
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