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夏目房之介の「で?」

イタリア調査旅行

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5.18浴場跡博物館中庭.JPG←最近公開された古代ローマの大浴場跡の中庭。巨大な娯楽施設の回廊(美術館になってる)から見下ろす。

イタリアの調査旅行から帰国しました。ローマとフィレンツェのまんが学校やまんが書店を取材し、アンケートをしてきました。かなり忙しくてバテましたが、初めてのイタリアはいい旅でした。イタリアが好きになりました。なんといっても、建物が新旧みんなかっこいいです。ヴァチカンのシステーナには茫然自失したし、フィレンツェは旧市街のすべてが美術館だし、楽しみました。
5.23メディチ家.JPG←フィレンツェのウフィッティ美術館

コミックフェアのあった地域でランチをしたレストランは、その日の魚にあわせて料理を変える店で、今回の旅でべストのおいしさでした。イタリアでおいしいものを食べようと思ったら、おいしいものを食べるのが好きな現地の人と一緒に行くのがベストですね。フィレンツェではドゥオーモのすぐ近くの、古い建物の5階部分をホテルにしたB&Bに宿泊。すぐ近くにすばらしい彫像が並ぶ広場があり、一人で泊まるのはもったいない部屋でした。この広場で、わずか30分ですが、簡単なスケッチをしたのは、至福の瞬間でしたね。ホテルを出るとすぐそこに中世やルネサンスがあるっていうのは、すごいことです。
5.24フィレンツェ中世橋.JPG←フィレンツェ、中世以来のベッキオ橋

今回のイタリア調査は、ローマのまんが学校で講師もされている山根緑さんにものすごくお世話になり、イタリアのまんが(フメッティ イタリア語で煙、米ではバルーン、日本で吹き出しのこと)の歴史を講義してもらい、かつ郊外にある山根さんのご自宅横のB&B(ベッド&ブレクファスト)に泊めていただきました。これがまたすばらしくて、バリ並みにリラックスできました。これで仕事さえなきゃな。で、山根はフメット以外にも貴重なまんが関係資料をたくさん持っておられるので、ぜひ散逸しないようにお願いおきました。山根家の旦那さん、息子さんも、いい人たちでした。裏の麦畑の夕日も最高。
5.27山根宿の裏手麦畑の夕日.JPG←山根さん宅の裏手の麦畑に沈む夕日。左の空には、なぜか飛行機雲がいく筋も残っている。

ローマのコスプレライブでオスカルのコスプレさんに紹介してもらいました。いやあ、びっくりした。あのマンガって、実物になるんだね。目も鼻も、スタイルも完璧。池田先生の設定どおりで、先生公認なんだそうです。歌われてるのは日本アニメのアニソンなんですが、じつは全部イタリアで作られた聴いたこともない歌で、たぶん著作権ごと売り渡した初期の契約事情もあったのではないかと(欧州で放映された永井豪原作アニメについては、ダイナミックプロへのロイヤリティは支払われていないと聞いてます)。
5.21コスプレライヴ2.JPG←ローマのレストランで開かれたコスプレ・ライブ。子供たちや、40代までの彼らの親たちが、踊りながら歌いながら楽しむ。

永井豪アニメ「グレンダイザー」の放映が、イタリアのポップカルチャー史上を画する契機になったんだと、BL描いてるイタリアのおたくマンガ家パウロがいってました。社会学者もそういってるとか。放映され始めた79年、イタリアは閉そく感に悩み、その中で若者たちに希望を与えたのが「グレンダイザー」だったとか。パウロに、版権の話をしたら、びっくりしてました。フランスでも、永井豪は大金持ちだとみんな思ってましたからね。
5.20コミックフェア同人誌売場.JPG←ローマ郊外でのコミックフェア内、同人誌売り場

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