TV『天皇の料理番
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http://www.tbs.co.jp/tenno_no_ryoriban/
1980年というからもう35年前になるのだが、やはり同じ原作で堺正章が主演のトクゾーをやったのを面白く観ていた記憶がある。鹿賀丈史も出ていたし、明石家さんまも出ていた。なので、今回のは最初から何となく観ないでいた(3回目のドラマ化だそうだ)。「面白かった」という記憶が、佐藤健主演というイメージの落差に「違うような気がする」という判断につながったようだ。
たまたま途中から見始めたら、これがけっこう面白い。番組制作そのものが気合いが入っていて、セットも、海外ロケも、何よりも役者陣がいいのだった。佐藤健もがんばっているし、この人はいい訳者になるのかもしれないと思った。色っぽい人妻にいいよられたときの彼の眼の飛び方はなかなか面白かった。でも、それ以上にまわりをかためる役者がとにかくいい。
黒木華というトクゾーの女房役の女優もすごくいいし、鈴木亮平の主役の兄役は、肺結核で今日の放映で亡くなったのだが、これがドラマの進展とともにどんどんホントに痩せていくのだ。体壊さないだろうかと心配になるほど痩せていって、頬もこけていた。医者の指導を受けているとは思うが、たいした役者根性だと思う。パリに修行にいき、宮中の厨司長になるところで終わるかと思ったら、まだ続いている。この頃、大正に入るあたりは、日本が本格的に重工業化をすすめ、第一次大戦を機に「一等国」意識を持ち始める時代なのだが、トクゾーの料理にもそれが反映していた、ということだろうか。
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