Amazonが「アーティストセントラル」に続いて「著者セントラル(著者ページ)」も開始
Amazonが、アーティストごとのポータルページを作る機能「Amazon Artist Central」をリリースしたことは、前の記事でご紹介いたしました。
著者セントラル含めて基本機能などを知りたい方はご覧ください。
▼Amazon Artist Central は中小アーティストの救世主となるか?そしてその使い方は
この記事は「中小アーティストが情報を発信するとても良い場になるのではないか」という期待感を込めた記事でしたが、本日9/1に、書籍カテゴリにおいて「著者セントラル(著者ページ )」という、アーティストセントラルの書籍バージョンが続いて開始となりました。
単純に、本の著者も音楽アーティストと同様の機能を使うことができるようになります。
しかし、機能は同等ですが「音楽アーティスト」と「書籍の著者」同じ芸術系セグメントでも、この2つの層はかなり性格が異なります。
なので、使い方もそれに合わせて考えなくてはなりません。
そこで今回は「著者セントラル」について、その差異を中心に、著者セントラルを始めるに当たって「気をつけなくてはならないこと」「こういった活用法がいいのでは」というお話をさせていただこうと思います。
改めて大枠として
配信記事を転載します。
▼Amazon.co.jpに著者や出版社が情報発信できる「著者ページ」 - ITmedia News
Amazon.co.jpは9月1日、著者ごとの作品一覧や略歴などの情報をまとめて見られる「著者ページ」をスタートした。
書籍の著者や出版社が自ら情報を更新。森見登美彦さんや伊坂幸太郎さんなどが利用しており、著者ページストアで一覧を見られる。
著者や出版社は、専用サイト「著者セントラル」から情報を更新。
略歴や動画、表紙画像の追加、今後の刊行情報などを更新できる。Amazonのユーザーは、書籍の著者名などから各著者のページにアクセスし、作品一覧や最新情報を確認できる。
機能としては、Artist Centralとほぼ同様の模様です(ストリーミング音源配信などは無いのではと思いますが)
ArtistCentralと同様に、Amazonで書籍を販売している著者であれば利用できるので、宣伝する場に困っている著者のプラットフォームとして発展していく可能性が十分あります。
ただ、いくつか懸念点があります。
音楽系アーティストと比べて、顔や声を露出させるリスクが大きい
このセントラルの大きな特徴は「動画が載せられること」「Twitterでコミュニケーションをとれること」にあると考えていいかと思います。
これは、音楽系アーティストの場合ぴたっとはまると思うんですね。
インディーズであっても、PVであったりライブハウスだったりで、顔を出して活動をしています。
ですので、もともと知っていてファンになった人は全く問題ないでしょうし、見た目と音楽合わせて活動しているので、新しくファンになった人も、動画などを見た時にギャップを感じないものです。先にPV等を見てしまうことも多いと思いますし…声ももともと知っているはずです。
しかし、本を書く方というのは、特に純粋に文学系で上がってきた方の場合にはメディアに全く出ていない方が、遙かに多いです。
また、読者の中で読者なりのイメージができていることが多いと思うんですね。
なので、Amazonで動画やコミュニケーションがはかれる!ということで、突然飛び込んでしまうと「こういう人だとは思わなかった」「イメージと違う」といった感想を持たれてしまうリスクが、少なからずあるのではと危惧します。
ただ、それを危惧して後手後手に回ると、結局、今までオフィシャルサイトや出版社サイトなどに掲載していた情報を載せるだけになってしまい、あまり効果がないのではと。Twitterはいいと思うのですが。
ではどういう方向で活用するのが良いか
著者本人ではなく、その著者のプロモーションを行っている担当の方を軸として、販売促進をするという方向をおすすめします。
そうすることで、まず、著者が世間に対して発しているイメージ、それを崩さないことを最優先すべきです。
そうすると、やり方としてはたとえば
- 本が書き上がるまでのエピソードを第三者の目線から書く
- 本の舞台となった場所や、モチーフを解説する
- 著者のバイオグラフィー
- 著者の日常を、ちらっとだけ公開する(想像力をかき立てる)
- 著者からのメッセージを第三者の視点から紹介する
- Amazonのレビューとは別に、読んだ人の感想を、掲載し、それに対する著者の返答も載せる
- 著書の中で何か記念日や、この日という設定がある日があれば、それに関する特設コンテンツ
など、著者から一歩引いた目線でのコンテンツを充実させていくのがいいんじゃないでしょうか。
終わりに
とは言え、またプラットフォームが用意されたことは事実なので、出版社の方は特に忙しくなると思いますが、できるだけ速く活用していくことをお勧めします。
まだSEO的なところは全然見ておりませんが、Amazon.co.jpというルートドメインのパワーを考えると、著者名で検索した際に上位に出てくるようになっておかしくないと思いますので!