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計測できそうでできない多くのこと。エンピリカル(実証的)アプローチで。

どうしても苦手な人同士を含めてレビューしないといけないときにN-Foldはいかが?

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会議形式のレビューをするときに、どうしてもウマが合わないメンバを含めないといけない。エラーを指摘する場にも関わらず、いつも相手を非難しあってしまう。レビュー会議の前から二人はピリピリしていて、他のメンバもとてもエラーを指摘できるような雰囲気にない。ベテラン同士がこうなってしまうとなかなか手に負えない。回避のために、どういう選択肢があるだろうか?

指摘は個々にやっておいて、結果の突合せだけを会議形式にするというのは1つの手だ。しかし、メール等で配布して事前にエラーを指摘しておいてもらうというのはなかなか難しい。

そこでN-Foldレビュー(N-Foldインスペクション)という方法がある。"n-fold"はn重(多重)を意味し、同一ドキュメントを対象とし複数グループにわかれてエラーを会議形式で指摘する。長期的には、仲の悪い者どうしには理解しあって仲良くなってもらうしかないが、短期的にはN-Foldレビュー(今回の場合だと2つのグループにわけるので、Two-Fold)は効果的だ。

指摘結果は担当がまとめる。まとめの担当に負荷がかかるが両方のレビューに参加すれば、重複を取り除く作業は容易にできる。

N-Foldインスペクションは、Martin J. , Tsai, W.によってCommunications of ACMで発表されている。タイトルとアブストラクトはここにある。

メンバをわければ、スケジュール調整もやりやすくなる。意外と実施コストは高くないように思う。いかがだろうか?

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