人生で影響を受けた一冊
時々、「人生に影響を与えた一冊を上げてください」と聞かれます。
いつもはこちらやこちらでも書きましたように、ジェームズ・W・ヤングの「アイデアの作り方」を挙げていました。
この本は名著です。1980年代後半に出版されたものですが、いまだにアマゾンのランキングは常に1000位以内。超ロングセラーです。
実は私が影響を受けた本は、もう一冊あります。ただこちらの本はとてもマイナーです。既に書店には置いていません。
北斗景「プロカメラマンになれる方法」
この本は25歳の頃、ヨドバシカメラで購入しました。
当時、私は既に日本IBMに入社して仕事をしており、業務では徹夜が続いていましたが、一方で本気で写真家になることを目指していました。
ウィークディや休みの日は写真撮影ばかり。写真展も何回か開催していました。当時の作品はこちらです。またこんな感じで、写真雑誌にも取り上げていただきました。
この本は、そんな活動を支えてくれた本です。
面白いことに「プロカメラマンになれる本」ですが、写真の技術的なことはほとんど書いていません。
では何が書いているかというと、夢を実現する方法が書かれています。
■未来の具体的なイメージを作ること。
■常にそうなると信じること。
■既に自分がそうなっていると信じること。
■そのための具体的な方法を思い描くこと。
そのことが具体的に書かれています。
プロの写真家が個展を開催するようなギャラリーで、20代の会社員が写真展を開催するのは、考えてみれば夢物語です。
しかし私はこの本と出会い、その具体的な場面をイメージでつかむことができ、2−3年後には本当に銀座キヤノンサロンで個展を開催しました。
20代から30代の頃は写真家になろうと真剣に思っていたので、私はこの方法論を主に写真のために活用しました。
でも、考えてみればこの方法論は全てのことに適用できます。仕事でこの方法を応用し始めたのは30代後半からです。
考えてみると「いつか出版したい」と思って出版を実現したのも、この方法論でした。
この本、プロカメラマンを目指していない人にとっても、もしかしたら参考になるかもしれません。
既に絶版になった本ですが、実はウェブで無料で読むことができます。こちらにありますので、ご興味のある方は是非どうぞ。「プロローグ」と「プロカメラマンになれる本(1)」がおすすめです。