オルタナティブ・ブログ > 永井経営塾 >

ビジネスの現場で実践できるマーケティングと経営戦略をお伝えしていきます。

「バリュープロポジション戦略50の作法」の英語版、"50 Tips for Successful Customer-centric Strategies"を出版。6カ国で販売中

»

「バリュープロポジション戦略50の作法」の英語版作成を一昨年末から試行錯誤してきました。

昨日、やっとアマゾンのKindle Storeで発売開始の運びとなりました。

米国、英国、デンマーク、フランス、イタリア、スペインといった6カ国のアマゾンサイトで販売しています。

50 Tips for Successful Customer-centric Strategies -- Lessons from Japanese companies for genuine customer satisfaction based on consumer-oriented thinking

Coverphoto5

日本語版「バリュープロポジション戦略50の作法」は120ページ、合計4万文字の小さな本ですが、執筆開始は2010年7月頃、出版は2011年3月でした。

実は、本書は英語版を米国アマゾンのKindle Storeで販売することを当初から目標にしていました。

2010年6月頃、CMパンチ・佐々木さんのオフィスで、佐々木さん谷川さんと電子書籍のことでお話しした際に、「合計120ページくらいでマーケティングのエッセンスをまとめた本を考えているのですが」とお話ししたところ、谷川さんから「それなら米国のKindle Storeで出したら?」というアドバイスをいただいたのが、そもそも日本語版「バリュープロポジション戦略50の作法」を書き始めたきっかけです。

ということで、日本語版「バリュープロポジション戦略50の作法」を2010年11月にほぼ書き終えた後、英語版を自分で書き始めました。

ネットでドラフト版をレビューしていただける方を募ったところ、大変有り難いことに20名の方からお申し出をいただき、修正をしました。

しかし最終ドラフトまで作って、勤務先である日本IBMのネイティブに英語をチェックしてもらったところ、「お金が取れる英語の品質になっていない」。

ビジネス上では英語コミュニケーションに苦労することはあまりないのですが、本でお金を取れる英語は別なのですね。(考えてみたら日本語も全く同様ですね)

ということで、英語版はいったんお蔵入りになりました。

 

状況が変わったのは、英語版をレビューして下さった牧忠峰さんから、「もしよろしければ英語に翻訳しますよ」とのお申し出をいただいたことです。

2011年の年明けに人形町で牧さんとお会いし、色々とお話ししました。

牧さんは「日本の素晴らしい文化、アートや考え方を、もっと海外に発信したい」と真剣にお考えになっていて、実際にご自身で英語の本も出版していらっしゃいました。ドラフト版「バリュープロポジション戦略50の作法」をお読みいただいて、この英訳化の思いにご賛同いただいたとのことでした。

「日本のビジネスパーソンはもっと情報発信すべし。そしてグローバルにも情報発信すべし」と思っていた私と、完全に意気投合しました。

それから震災や猛暑の夏を挟んで1年間、二人とも別に本業を持っている中で、本書の英語化を進めました。

 

牧さんの英語化の方法は、直接英語に訳すのではなく、まず日本語の文章をネイティブが読んで分かる論理構成に書き直し、その上で、英語に訳す、というものです。

確かに、「バリュープロポジション戦略50の作法」は短く簡潔な文章の中に様々なメッセージを詰め込んでいますので、これを直訳してはネイティブの人は何が何だか分からなくなります。

最初に私が作った英語版がネイティブの同僚に「お金が取れる英語の品質になっていない」と指摘されたのも、この理由でした。

英語に訳す前に、ネイティブが分かりやすい文章構造に書き直す、というのは、私にとって目に鱗でした。しかし自分の英語がネイティブから「分からない」と言われていましたので、これは深く納得できました。

全50章をこのように一つずつお互いにチェックし合いながら、進めていく作業でした。

牧さんのご努力の結果、ネイティブが読んでもよく分かる内容になったと思います。

 

このようにして、牧さんと一緒に完成させた「バリュープロポジション戦略50の作法」の英語版"50 Tips for Successful Customer-centric Strategies"、このようにKindle Storeに並んでいるのを見ていると、感無量です。

Amazonvp501

 

Amazonvp502

 

翻訳にご尽力いただいた牧忠峰さんに、深く感謝します。

 

考えてみれば、アジアの片隅の国で会社員をやっている個人が、自宅から自分の本を世界中を相手に届けられる。

しかも英語のコンテンツさえ作れば、その手順はものすごく簡単。

壁は英語だけ。

私たちは素晴らしい可能性を持った世界に住んでいると思います。

 

本書は、私にとって6冊目の本になりました。

これまで自費出版3冊。商業出版3冊。

過去2冊の自費出版は、印刷後の在庫管理(1000-2000冊が自宅にあります)が大変でした。

今後の自費出版は、電子書籍か、Amazonが最近始めたオンデマンド印刷に切り替わっていくかもしれませんね。

 

 

Comment(0)