まるでアート作品を思わせる中古カメラ
久しぶりに、中古カメラ店に行ってみました。
改めて、昔は高嶺の花だったカメラがかなり安くなっていることに気づかされます。
例えば以前はライカM5で20万円以下のボディはなかなかありませんでしたが、最近は比較的出回るようになりました。キヤノンEOS1系のボディもかなり安くなっています。
限定生産だったペリクルミラーのEOS-RT(発売当時115,000円)が一万円台でかなりの量が出回っているのも少し驚きでした。ちなみに私は10年前に4万円弱で入手し、結構愛用していました。
カメラ市場が銀塩フィルムからデジタル一眼へ大きく変わり、市場の需要供給関係が変わったことが、こんなところにも反映しているのかもしれません。
こんな中で、酷使されたNikon Fが販売されていました。
ブラックボディのペイントは、角が全て剥がれて真鍮の地肌がむき出しになっています。新聞社等のプロの現場で使われていたのかもしれません。私が10年前まで愛用していたCanon New F-1もかなり酷使されている方ですが、ここまでではありません。
しかしこのようなボディにも関わらず、比較的きれいなFの2倍の値段になっています。
確かに、このように酷使されたNikon Fは、そこにあるだけでアート作品のような強烈な存在感を主張しているように思います。
そう言えば学生の頃、同じく酷使されてボロボロになったNikon Fの写真とともに、「ニコンはこのようになっても使えます」というメッセージをつけたニコンの広告を見たことがあります。まさにプロの道具、といった感じで強烈に印象に残っています。
進化の激しいデジカメの時代になって、このようなカメラは今後なかなか出にくくなるかもしれませんね。