カメラ業界の大激震6:コラボレーションが生む価値
ミノルタCLEというカメラ、ご存知ですか?
こちらに詳しい解説があります。
このカメラは非常にコンパクトですが、ロッコールレンズの描写力とCLEの相性は素晴らしく、私はこのカメラでこれとかこんなのとかこのような作品を撮りました。
ということで、私はかねてからミノルタに対して「丁寧で高性能なカメラを作るメーカー」というイメージを持っていました。
その後、ミノルタはコニカと合併、さらに一時期はカメラから撤退、という話もあり、大変残念に思っていましたが、開発チームはソニーの元で新たにデジタル一眼レフカメラを発表して、その精神を脈々と引き継いでいるようです。
本日(2006/7/19)の日経産業新聞「反攻の足音」では、ソニーが旧コニカ・ミノルタのカメラ開発チームと一体となってカメラ市場に参入する様子が書かれています。
記事によると、ソニーのデジタル一眼レフは、1996年のVAIO以来の新ブランドだそうです。「中鉢社長就任後の初めての成長戦略」とのこと。
確かに、デジタル一眼レフカメラは、コニカミノルタの光学技術・一眼レフでの経験、ソニーのCCD技術・エレクトロニクス技術といった、両者の強みを存分に活かせる分野であり、ソニーの中核部品全般に与える相乗効果は非常に大きいことと思います。さらにデジタル一眼レフカメラ市場で成功のカギとなる垂直統合体制を整えることも可能になりそうです。
デジタル一眼レフカメラ事業を担うAMC事業部は、旧コニカミノルタのお膝元である新大阪にオフィスを構えていますが、「巨大企業になる前のソニーに似た活気が満ちている」とのことです。
全く背景や文化の異なるチームがコラボレーションすることが、全く新しい価値を生み出す源泉であると言われていますが、その際に「組織の壁」が大きな障害になります。特に文化の融合は大きな難題です。
これを見事にクリアし、統合からわずか半年で製品発表にこぎつけたのも、この活気による賜物かもしれませんね。
ところで、ミノルタCLEの復刻版は、以前より多くのカメラファンが望むところです。最近ではニコンが銘機S3やSPを復刻し評判になりました。
一カメラファンとしては、復刻版を超えて、ソニーならではの味付けをした復刻版「CLEデジタル」(仮称)の登場を期待したいところですネ。