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ITmediaの記事をみていて、Microsoftのスティーブ・バルマー氏のMicrosoft Worldwide Pertner Conference 2005でのコメント記事が興味が持たれた。バルマー氏は、そのコメントの中でIBMのハード、ソフト、サービスの3方面から幅広い戦略を批判していた。今のように、顧客ニーズが多様化し、複雑化するなかで、万人受けする製品やサービスの提供は難しい。そのような戦略は成り立たない。自社の製品を提供するための顧客を選択して、そこに集中してベストのものを提供することが重要である。バルマー氏も顧客に、ベストな製品を提供することが必要だと訴えていると思われる。

マイケル・トレーシー&フレッド・ウィアセーマによる「ナンバーワン企業の法則」でも、マーケットリーダーなるためには、3つ顧客価値基準の中から、1つを選択して、それを業界でNo1にすることが重要としている。詳しくは貴書を読んで頂ければと思うが、その3つの顧客価値基準とは、「製品のリーダーシップ(最高の製品など)」、「カスタマー・インテマシー(顧客との信頼関係を築き、最良の総合的な解決策を提供するなど)」、「オペレーショナル・エクセレンス(最低の総コストなど)」をあげている。この3つの価値基準の中で選択した1つで業界No.1となり、その他の2つは平均以上のサービスを顧客に提供すると、真にNo.1企業の道が開けるようである。

例えば、あるパソコンメーカーが低価格でナンバーワンの顧客価値基準を選んだとすると、他社が追随できないような低コストを実現する業務オペレーションを企業内で生み出す必要がある。部品の購買条件の変更から販売チャネルの刷新、マーケティングプロモーションの改善など、驚くべき戦略を発見して、他社よりも常に一番低価格であるという条件を生み出すのである。もちろんそれだけでは足りなくて、製品の技術力は標準で、サービスサポートもそこそこである必要がある。そうするとNo.1になる可能性が高くなるのである。

この顧客への価値基準を選ぶことが、自社のポジショニングをするということである。このポジショニングする前に、2つやっておかなければならないことがある。まずは、マーケットセグメンテーションである。これは、日本語にすると市場の細分化であるが、顧客層を地域や、年代、業種、富裕層などに分けてその量を把握することである。基本的には、人口統計や企業統計など、政府などでデータを出していて総務省統計局のサイトなどにいくと閲覧することができる。このデータをさらにその業種にあった顧客層に分けるところまでを含めてが、セグメンテーションである。

その次が、ターゲティングである。これは、セグメンテーションした市場の中で、どこの顧客層を狙うのかを決めることである。少数だが富裕層を狙うのか、より多くの人が存在するマーケットを狙うのかなどを、自社の体質などに合わせて決めるのである。

セグメンテーション、ターゲティングを行ったら、自社のポジショニングである。この一連の流れを、マーケティング略語でSTPという。このSTPの作業をサポートするのが、マーケティングリサーチである。次回は、STPの進め方について書いていくつもりである。

かなりブログをさぼってしまったので、少しテンポアップして進めたいと思います。

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