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今回は所信表明

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 リサーチの仕事について、かれこれ20年近く経とうとしている。

最初はマーケットリサーチャーで、パソコンや日本語ワープロ専用機の出荷統計調査を、日本の調査会社で毎月やっていた。

 当時はインターネットもなく、世の中に出回っている情報も少ないので、パソコンメーカーの人やワープロメーカーの人に会って、現状やこれからについて話してもらって、それを定量調査データに変換していた。

 これは今もそうだが、当時はなかなか本当のところはわからず、俗に言う「下駄を履かせた数値」を教えてもらいながら、いろんなメーカーを回って自分で調整していくのである。

 実績数字でさえそれなのだから、将来のデータになるともっといい加減になる。

それでも仕方ないので、各メーカーの将来予測などを聞き、その平均プラス自分の考えをベースにして、市場を予測していくのである。そんな感じでやるからなかなか当たらない。

 新しい技術は良いものだ、を前提に、トップの思い入れに沿った企画書で、開発に何億円もかかった新製品が世に出ては消えていった。調査会社の市場数値や予測数値は、そういう企画書の資料によく使われる。

 市場数値以外の調査といえば、競合してうまくいっている企業が、どんなやり方をしているのか、の競合調査がある。例えば、その人員は何人で、どんな体制で、費用はどのくらいで、予算はどうやって捻出するのか、などを調べる。今でもこの手の調査は、一般的である。

 リサーチというと、こういった市場規模調査や競合調査が一般的で、ユーザー調査や顧客調査、見込み客調査は、意外に少ない。

 会社の方針や社長の発言では、顧客重視という企業が多いのに、リサーチでは、ユーザー調査や見込顧客の購入意向調査などは、そんなにやっていないように思う。

 ユーザー調査を比較的多くやっている場合でも、広告と合わせて半年に1回とか、

それでもまだ何らかの調査をやっていれば良い方で、何のリサーチもしていない企業はたくさんある。

 これは、日本は阿吽の呼吸で、何となく人の気持ちがわかったような気がするからかもしれない。

 もちろん、日本でもユーザー調査を数多く実施している企業や産業が存在しているが、全体数からみるとまだまだ少数派である。

 この一つの理由には、企業内にリサーチャーが存在していないか、あるいは非常に少ないからである。このブログは、企業内リサーチャーを増やすことを目指して書いていこうと思っている。といっても、一緒に学んでいけたらと思っている。

 たまに脱線して私の趣味に走ってしまうかもしれないが、その時は許してください。

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