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HPのコンテナ型データセンターを見てきた

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HPのアナリストブリーフィングでいろいろと話を聞いてきましたが、ほとんどの内容がNDAなのでブログには書けません。とは言え、展示されていたコンテナ型データセンターPOD(Performance Optimized Datacenter)は、既に出荷済みの製品ですので、これについて紹介します。

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サンのブラックボックスを皮切りに今はIBM、Microsoftなども提供しているソリューションです。他社に対する差別化要素は?と聞いたところ、1.汎用のラックが使用可能、2.電力効率性が高い(PUE≒1.2)ということでした。

既に実際のユーザーも何社かいるようです。典型的なのはHPC(科学技術計算系)のユーザーだそうです。確かに計算クラスターの容量が足りなくなったときには便利そうです。この場合には、WANの帯域幅の問題もあまりないですし。てっきり屋外設置が前提かと思いましたが、屋内や地下室に置くケースも多いようです。大がかりな設備工事がいらないので迅速に施設が拡張できるメリットがあります。

また、DR(災害対策)のために購入を検討するケースもあるようです。竜巻に追われながらデータセンターをトラックで運んで逃げるというパニック映画のようなシーンを思い浮かべてしまいましたが、そうではなくて、災害発生時に備えて予備のデータセンターとして用意しておくということのようです(たぶん、軍事系用途なのではと思います)。

それほど爆発的に売れるソリューションではないと思いますが、大規模スケールアウト向けのソリューションとしてはおもしろい存在ではあります。

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