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電力がコモディティでなくなる日?

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グリーンIT関係の取材活動をいろいろとやってます。コアなお話しは@ITの連載の方で書きますので、ここでは、こぼれ話的なトピックを。

米国では、データセンターのコストに占める電力料金の割合の増加に伴って、データセンターの設置場所を決める際に電力料金の低さが考慮点になるケースが増えているそうです(米国では地域によって電力料金がかなり違う)。グーグルをはじめとして、水力発電所の近くにデータセンターを設置する例が出始めています。

この話を聞くと思いだしてしまいまうのが、有名な"IT Doesn't Matter"という(ややトンデモ)記事です。そこでは、「電力網がまだ普及していない昔は水力発電所の近くに工場を造ることが企業の差別化要素だった。だが今は電力網の普及により、電力は完全なコモディティになり差別化要素にならなくなった。同じようにかつてはITも差別化要素だったが、今では差別化要素ではなくなった」なんて主張がされてました。(あらゆる)ITがコモディティであり差別化要素ではないという説には当然強く異議を唱えますが、今後は、電力がコモディティであり差別化要素ではないというのも成り立たなくなってしまうかもしれません。

また、先日の某ベンダーさんの取材では、今後もネット帯域幅の低価格が進んでいくと、カナダ内陸地が最もデータセンターの設置に適した場所になるだろうなんていう議論もありました。電力料金が安いことに加えて、機器冷却の負担も小さいからということです。

この話を聞いた時は、ちょっと前にサンがCoolThreadテクノロジーを発表した時のジョーク・ビデオで、Xeonサーバの冷却に苦しむユーザーが、苦し紛れにデータセンターを北極に設置したら、熱で氷が溶け出したなんていうのがあったのを思い出しました。

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