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何だったんだSCO訴訟

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当時は大騒ぎであったSCO Groupによる訴訟ですが、結局、SCO側敗訴という形で終わりそうです(参照記事)。あまりメディアでもカバーされておらず、完全に過去のお話しという印象です。経緯については、池田信夫先生のブログがよくまとまっています。

しかし、「Linuxのコードの一部が、SCO GroupのもつUNIXの知的財産権を侵害している」ということで始まった訴訟ですが、侵害してるかしてないか以前のお話しで、そもそも、SCO GroupはUnixの著作権を所有してなかったという、トホホなオチだったわけです。元々のシステムV系Unixのソースコードの著作権所有者であったノベルはSCO Group(正確には、その前身であるCaldera System)に著作権のライセンスはしているが、著作権の譲渡はしていないと認定されたということです。

まあ、結果オーライとは言えるのですが、権利の帰属をめぐって4年以上も裁判するというのは、訴訟経済という点でも業界の安定性という点でもあるべき姿とは言えないでしょう。特許のように登記システムがあれば、権利の帰属についてもめるということはほとんどない(他人の発明を勝手に出願するというケースもあるので皆無ではない)のですが。

今さらこんなことを言ってもしょうがないのですが、無方式主義(権利の取得に審査も登記もいらない)の著作権法において、プログラム(オブジェクト・コードを含む)を文芸の著作物の一種として保護対象とし、一律70年(日本だと50年)の独占排他的保護を与えてしまうといいう制度自体に問題があると言わざるを得ません。

プログラムの著作権に基づく権利行使には事前の登録(登記)が必要というような制度にしてもよいような気がします。また、バイナリをCDに焼いて販売とか、ネット上で公開というようなケースは個別の法律で明示的に禁止するか、不正競争防止法等で処理した方がよいような気もします。

ソフトウェアを著作権法で保護するようになった経緯としては、ベルヌ条約等により古くから国際的な調和が取られていることから一番好都合であったという事情があったそうです。しかしながら、どう見ても工業製品的要素が強いソフトウェアを著作権法で保護することで、いろいろなほころびが出てきているように思えます(これについてはまた書きます)。

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まったくの余談ですが、SCO Groupの前身のCaldera SystemのCEOにインタビューしたことがあります。Ransom Loveさんというのですが、直訳すると「愛の贖罪」です。映画のタイトルみたいですよね。本人に「本名ですよね?」と聞いたら「よく聞かれるけど、本名だよ」と笑ってました(正確には「そのネタはもう勘弁してよ」という感じでした)。

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