ワールド麺カップについて
ワールドカップは超巨大ビジネスなので、当然ながら、FIFAは「ワールドカップ」、「ワールドカップサッカー」等の商標権をかなり広範囲の指定商品で所有しています。この商標権を元に、ライセンス企業以外の企業が「ワールドカップ」という言葉を商売で使うことを阻止できるわけです。当然、ライセンス料は高額なので、何とか商標権に触れないギリギリのところで便乗商法を行おうとしている企業も多いようです(参照記事「W杯あやかり商戦 非ライセンス商品も続々」)。
ある大手百貨店は中元商戦に、世界各国のめん類とこだわりの器をセットにした「ワールド麺(めん)カップ」を出した。W杯優勝トロフィーに似たロゴも作ったが、「W杯を意識したこともない。名称やロゴが似たのは偶然」(広報担当)。
「ワールド麺カップ」って語呂も悪いですし、ちょっと厳しそうですが、商標法には「その商品の普通名称を普通に用いられる方法で使った商標には(他社の)商標権の効力は及ばない」という規定がありますので、「世界の麺の器=ワールド麺カップ」ということでFIFAの商標権を回避しようとしているものと思われます。
しかし、別の記事を見る限り「W杯を意識したこともない。名称やロゴが似たのは偶然」という広報担当の主張はどんなもんかいなとも思います(^_^;)
これに関連して、スポーツ関連の商標について個人ブログに昔書いた記事をリンクしておきます。
ところで、仮に「Web 2.0」が日本で登録商標となり、Web 2.0を名称に使ったイベント(たとえば、Web 2.0フォーラム)の開催の差し止め請求が行われるようなことがあれば(ないとは思いますが)、Web 2.0が普通名称化していることを主張して対抗することができます(もちろん、裁判所がその主張を認めてくれるかの確実な保証はありませんが)。