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日本の少子化問題本当にヤバイ?

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あんまりITとは関係ないですが、今の日本が抱える長期的な問題の中で一番深刻なのが少子化だと思ってます。結局、人間の労働力、購買力が経済活動の源泉ですからね。

米国の出生率のグラフとS&Pの株価インデックスのグラフを45年ずらして重ねるとぴったり合うという話があります。人が一生の中で最も金を使うのが40歳代半ばなので、要は、金を使う人口が多いと経済が上向くということです。裏を返せば、人口が減れば景気が必然的に悪くなるということです。

昨晩のワールドビジネスサテライトで、猪口(少子化男女共同参画担当)大臣が、海外諸国の出生率と女性の社会進出の相関関係のグラフを見せて「女性の社会進出が進めば少子化問題も改善する」と述べて、榊原英資に「統計的な相関関係と因果関係は別の話」とか突っ込まれてました。珍しく(コラコラ)榊原さん正しいとか思いましたが、いずれにせよ、少子化問題はジェンダーフリーとかだけではなく、もう少し広い観点で考えていかないと大変なことになるでしょう。

人口と景気が連動してたのはIT社会以前の話で、ITによる真の生産性向上が達成されれば、人が少なくても物は作れるし、人は余った時間でお金を使うようになるので問題はないという議論もあるようですが、どんなもんなんでしょうか(やっと、ITに話がつながった)?お正月にでもちょっと勉強してみようかと思います。

Comment(19)

コメント

harako

ITがどれぐらいの余剰時間を生んでいるのかっていう定量的な調査ってあるのでしょうか?
IT業界にいる人間で余剰時間が増えているって実感がある人ってあまりいないと思いますが、他所で余剰時間を生んでいるんでしょうかネ。

とてもそうは思えないんですが。

いつものことですが、この種の政策論争って要因分析をきちっとやった上での議論にはとても感じられないことが多いですね。

たけ

少子化にしても人口減少にしても、本当に問題なんでしょうか?
一昨日、フジで木村太郎さんが久々に(失礼)いいことを言っていたんですが、「人口密度とか食糧自給率とか考えたら、日本の人口は何人が適正なのか。」と。
カリフォルニア州とほぼ同じ面積にその3倍以上の人口がひしめき合っていることを思うと、住宅事情だけ考えても、『先進国』としては人口はもっと少なくてもいいんですよ。きっと。
稼ぎのある世代がある程度老いても、また国内消費が多少減っても、ITで、生活コストを下げつつ老いによる生産性ダウンをカバーできるような(とくに第1次産業)、国家的なグランドデザインこそ、求められているのではないでしょうか?

社会が有効に機能していないことの集積が、出生率という結果に出ているような気がしています。意識や慣習の変化に制度の改善が追いついていないとか、子育ての現場が一般社会と隔絶しているとか、少子化を解決しようとするなら複雑に絡み合った知恵の輪をほぐすように根気強さも必要だと思います。
ジェンダーフリーが迷走していることからも、少子化問題の解決は容易ではないと感じています。迷走を批判するのは簡単ですが、的外れな論争になり実効性のある解決策がなかなか出せないのもまた事実ですから。

また経済に与える影響や理論の優劣も大事ですが、もう少し生身の人間に目を向けてもいいのではと感じます。現場の実情を正確に把握することとか、周囲が関心を持ち親身になることとか。そうでないと机上の空論になってしまいます。いちおう渦中の世代のひとりとして。

harako

さっきTVのニュースで小泉首相が『所得格差の増大が少子化の原因ではないと』述べたと報じられていましたね。その根拠として、今よりも所得の低い明治期のほうが出生率が高かったことを挙げていたそうですが、ミスリーディングもいいところですね。相変わらず議論をはぐらかすのがうまい。
明治期は、進学率も低く十代中ごろには多くの子供が働き手になっていたので、今と比べると子供一人当たりの育児コストはずっと低かったはずです。当時と比べて教育費を含めて育児コストが増大している現在では、低所得層にとっては育児の家計負担は出産を忌避する十分合理的な理由になると思いますね。
あくまで少子化の原因のひとつだと思いますが。

私もその番組WBSで猪口氏と榊原氏とのやり取りを見ていました。が、猪口氏があまりにピンボケ発言をするので、番組を見るのを途中で止めてしまいました‥。^.^;
 少子化の原因は複数想定できますが、決して難解な問題ではなく、ロジカルなアプローチで充分に政治的にも解決可能だと思っています。
 なので、この問題が何故、放置されているのか不思議でなりません。
 少子化は日本にとって必ずしも悪いことととは言えないという論議もあるでしょうが、1000兆円を突破した日本国の借金を返済していくためにもGDPの純増は不可避でしょう。

 また、ITによる生産性の向上ですが、それは現実にあるものの、ITの活用により無駄がなくなったのはどの競合企業も同じですから、結局は競争環境が一層厳しくなっただけのように思えます。
 日々受け取る電子メールの数も年々増え続け、精神的な疲労感も増しているのが実態です。
 本音では「電子メールの無かったあの頃に戻りたい!」ですよ。ヽ(^^;)ノ

栗原 潔

少子化についての議論はまたまとまったら書くことにしますが、とりあえず何点かフォロー
>harakoさん
>ITがどれぐらいの余剰時間を生んでいるのかっていう定量的な調査
MITの調査だったと思いますけど、ホワイトカラーの平均でITにより生産性は3倍くらいになるらしいです(出典探しときます)
>マニ車さん
>猪口氏があまりにピンボケ発言をするので
「女性が社会進出をすると少子化問題が解決する」というシナリオ(官僚作成?)しか頭にないので、それを否定されるとどうしようもなくなっちゃうんでしょうね。榊原氏側のロジックの矛盾や漏れを指摘するとか、別の状況証拠を持ってきて自分の主張をサポートするとかいくらでもできるのに、「いや、少子化問題は解決するんです」としか言えない。
ちょっと話変わりますが、姉歯に尋問した代議士先生もひどかったですよね。日本の政治家で討論とか尋問とか得意な人(要するにロジックで考えられる人)はほとんどいないような気がします。

k

少子化が問題というよりも、老人の社会保障費を払うはずだった若手の労働力がいないというのが問題なんですよね。そんなのは今の老人の世代が老後についてまともな議論をしてこなかったからで、自分たちの社会保障システムを維持する努力を放棄してきたつけが回ってきただけだと思います。(昔から老人を若者の賃金で保証するというモデルを書いていたのだから、子供は2人以上産まないとだめだ!等の教育をしてサポートし続ければ良かったのでは。)

そのような自分たちの責任を無視した老人や老人間際の人たちが、「少子化は若者が自分のことしか考えないからだ」といってみたり、「女性が働けるような職場環境を!」と叫んで、老人の責任問題から目をそらさせようとすることに憤りを感じます。

社会保険料で給料の10%は消えていくのに、子供をたくさん産めとか、もっと税金納めろと言われても、責任を取らない老人たちに出すお金はないと言いたいです。

老人は資産に応じて年金の支給額を減らすとか、いっそのこと全部国に納めて借金の責任を取っていただいて、あとは贅沢しなければ年金のみで暮らせるようにする社会体制でも作ればいいじゃないかと思いますが。

なんにせよなんでも若者に押しつけれて、自分達はいい目を見ようという意図が見え見えなことに腹が立ちます。

社会人5年目(20代後半)からの意見です。

WBSは見ていましたが、猪口大臣はひどかったですね。女性問題と少子化問題の区別がついていない。まあ、役人の方も大臣の暗黙の希望に沿ったシナリオを上手く作るんですね。少子化問題を語るときに原因として女性が子供を産まないと、女性に原因があるような言い方をするのがいけないと思います。大臣自身がそのような発言に乗ってしまっているのが残念です。

結婚している女性の出生率はここ15年くらいで2.19から2.14にしか下がっていないという意見もあります。別の情報ではもっと下がっているようなものもあるんですが具体的な数字はこれしか知りません。この数字が物語っているのは、結婚した女性にもっと子供を産ませることではなくて、結婚していない女性に子供を産ませる(その前に結婚させる)対策が必要ということだと私は思うんですが、そんな対策はほどんどお目にかかれません。
現実に結婚難な男性は沢山いるという話もあります。男性にもっとがんばって相手を見つけてもらう政策も考えないとダメでしょうね。公的なお見合い機関でも作る必要があるのかもしれません。

livinginabox

猪口大臣は笑止か? :-p (テレビ見てません^_^;)
何でもそうですが、問題なのは“変化”ではなく“急激な変化”ですよね。上記の社会保障費の負担というのはひとつの側面ですが、まあ、結局誰かが老人の面倒を見なければならないわけです。ちなみに若者の意見を政策に反映させたいなら、まず選挙に行くよう呼びかけましょう :-) (立候補してもいいけど)
http://www.city.hachinohe.aomori.jp/kurashi/senkyo/h15_shugiin_touhyoritu.html
世代人口が少ない上に投票率が低いと、暇な老人たち:-pの思うがままになってしまいますよ^_^;
個人的には、やはり国・自治体の借金がどうなるのかが気になりますね。銀行とか国債離れしそうな気もしますが、足抜けできない状態なんでしょうか? 国の借金と出生率の反比例関係を図に示せば、猪口大臣も出生率向上のために借金を減らそうという話をするでしょう :-p
(テレビ見てません^_^;;)

harako

そもそも、勤労世代で高齢者を養うという日本の年金の構造は常にピラミッド型の人口構成が維持されていなくては、どこかで破綻してしまうわけですが、他方ずっとピラミッド型の人口構成が維持されれ続ければ今度は日本の人口が2億にも3億にもなるわけで今度は過剰な人口に頭を抱えることになったでしょう。
そう考えると日本の年金制度ははなっから長期的に持続可能な制度ではなかったのではないかと思います。
昔、どこかのニュースでやっていたのですが年金制度を作った官僚たちは年金の資金を自分たちが自由に使える新たな財源を作ったぐらいにしか考えていなかったらしいです。そのことは役所で作った年金制度史かなんかの本にも当事者たちの話として堂々と書いてあるそうです。

>日本の政治家で討論とか尋問とか得意な人(要するにロジックで考えられる人)はほとんどいないような気がします。

日本では政治家に限らず論理的であるということはあまり肯定的に評価されない気がします。「理屈っぽい」っていう言葉にはどちらかというと否定的なニュアンスがありますよね。そもそもそういう国民性の国では論理的に議論するタイプよりも情に訴えるタイプの政治家のほうが選挙に通りやすいのではないかと思います。まさに「この程度の国民にはこの程度の政治家」ということではないかと思います。

livinginabox

> 「理屈っぽい」っていう言葉にはどちらかというと否定的なニュアンス
グサッ!

livinginabox

> 「この程度の国民にはこの程度の政治家」
「文句があるなら自分でやってみろ」ということですね。私も選挙に行くのがせいぜいです。

栗原 潔

そういえば、昔マンガ喫茶で読んだ弘兼憲史の「加治隆介の議」で、政治家で理屈を言うのは選挙で不利みたいな話がありました(「議」とは理屈の意)。
しかし、ディベートのような理屈合戦をしなければいけない時においてすらも、しっかりとした理屈が使えないひとはリーダーとしてはまずいと思いますけどね。
とは言え、当日のWBS観てた人の中でも「がんばってる猪口氏を理屈でやりこめた榊原氏は不快」みたいな印象を持ってる人が結構いるんでしょうなー (-_-;)

harako

>「文句があるなら自分でやってみろ」
いや、そうではなくて…民主主義国家では有権者が選んだとおりの人物が議員に選ばれるわけで、議員批判というのは実は有権者批判なのだという意味なのですが…
>ディベートのような理屈合戦をしなければいけない時においてすらも、しっかりとした理屈が使えないひとはリーダーとしてはまずいと思いますけどね。

私もまったく同感ですが、どうもそのように考えている人は少数派ではないかというのが実感です。ちょっと前には日本でも論理ブームというがありましたが、最近はどちらかというとアンチ論理がブームになりかけているようですし。

livinginabox

「男は黙ってサッポロビール」なんてのもありましたね。「雄弁は銀、沈黙は金」とか。
え? ホント? http://oshiete.eibi.co.jp/kotaeru.php3?q=643393
“喋って、どこが悪い” :-p

livinginabox

> 議員批判というのは実は有権者批判
基本的にそのように理解していますが、「結局、政治家なんて・・」という人も多いですよね。そこには「だったら自分でやれ」という話もあろうかと。
もっとも、一票の格差という問題もありますし、簡単ではありません。

harako

>「結局、政治家なんて・・」という人も多いですよね。そこには「だったら自分でやれ」という話もあろうかと。
なるほど…
その点では一票の格差だけでなく死に票の問題も大きいですね。閾値下の意見は国会では少数意見としてすら認知されない。
直接民主制がひとつの解決策になるとは思うのですが、これも実現が難しい。そういえばITを使えば直接民主主義の社会を実現出来るということをいう人が時々いますが、切迫感がないためかほとんど盛り上がりませんねぇ。
と、無理やりIT話に戻す。

livinginabox

私は、落選する人がいれば「死に票」が生じるのも仕方がないと思います。きちんと議論を重ねた上で、投票により多数を見極め、全員が決定に従うことで、政治が安定するという見方もあります。もちろん、見過ごせない少数の意見もあるでしょうし、一票の格差を是正したら大都市優先になり過疎地域の声が届かなくなるといった意見もあるでしょう。直接民主制にしても、自分で考えないか、せいぜいマスコミにあおられて考えたつもりになってしまう人が多い状況で、ほんとうに正当な方向に進むとは思えないのが正直なところです。
まあ、色々問題はあるわけですが、とりあえず「選挙に行け」:-)

BigBrother

トラックバックさせていただきました。
思いっきり固く論文してみました。

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